カロリーゼロの「ダイエット飲料」は逆にウエストサイズを増やしてしまうという報告

「カロリーゼロ飲料は通常の炭酸飲料にはない害を含み、太る可能性もある」という研究結果
以下は、記事の抜粋です。


カロリーゼロのダイエット系炭酸飲料は、カロリーを気にする炭酸好きにとって非常にありがたい飲み物だ!……と、思っていたダイエット中のサイダーファンのみなさんに残念なお知らせだ。

「カロリーゼロ飲料は通常の炭酸飲料にはない害を含み、太る可能性がある」という研究結果をテキサス大のヘレン・ヘイズダ教授が米国糖尿病学会で発表した。9年半にわたって、474人の成人男女の健康や食習慣などを記録した調査により、ダイエット系飲料好きの人はそうでない人と比べると70パーセントも速くウエストのサイズが大きくなることがわかった。しかも、一日に2缶以上飲む人は、ほとんど飲まない人と比べると胴回りが大きくなる割合が5倍だったという。飲む人と飲まない人の差がこれだけ顕著に表れると、食生活や運動、喫煙、社会的地位など様々な要因を考慮しても、ダイエット系飲料によって太りやすくなるということに変わりはないそうだ。

さらに研究者らはネズミを使った実験も行い、ダイエット系飲料に用いられるアスパルテームという甘味料が、糖尿病の初期段階に起こりやすい膵臓内の損傷に影響を与えているということも明らかにした。ヘイズダ教授によると、「人工甘味料は食欲を促進させ、満足感を感知する脳の細胞に損傷を与えます。砂糖のような自然の糖分の不足により、さらに甘いものへの欲求が増すのです」とのこと。


記事にもありますが、これは6月24日から28日までサンディエゴで開催されたAmerican Diabetes Association(米国糖尿病学会)での報告を記事にしたものです。タイトルは、”Diet Soft Drink Consumption Is Associated with Increased Waist Circumference in the San Antonio Longitudinal Study of Aging”です(Abstractをみる)。

著者は、SHARON P. FOWLER, KEN WILLIAMS, HELEN P. HAZUDAの3名です。彼らは65-74歳の474名について、ダイエットソフトドリンク(DSDs、炭酸飲料とは限らないようです)の摂取とウエストサイズ(cm)の関係を調べました。調査開始時の身長、体重、ウエスト、DSD摂取量を記録し、平均フォローアップ間隔3.6年で9年半にわたって調べました。

性、スタート時のウエストサイズ、教育、糖尿病などの基礎疾患などで補正したところ、DSDを摂取しない人のウエストは9年半で0.78cmしか増加しなかったのに対して、DSDユーザーでは2.11cm増えたという結果でした。これが、70%速くウエストサイズが大きくなるという内容です。また、DSDを1日2本以上摂取する人のウエストは平均4.74cm増えたそうです。下は、発表要約にある著者らの結論です。

These results suggest that – amidst the national drive to reduce consumption of sugar-sweetened drinks – policies which would promote the consumption of DSDs may have unintended deleterious effects. Data from this and other prospective studies suggest that the promotion of diet sodas as healthy alternatives may be ill-advised: they may be free of calories, but not of consequences.

交絡因子の入りやすい後ろ向き研究ですし、査読のある論文での報告でもありませんが、「ダイエット飲料」がダイエットにならないどころか逆効果もありえるという興味深い内容でしたので、紹介しました。

関連記事
抗肥満薬「コントレイブ(Contrave®)」―FDA承認下りず、追加試験を要求

コメント

タイトルとURLをコピーしました