8割は無症状か軽症=CT検査で半数が異常陰影―クルーズ船104症例・自衛隊
もう忘れられそうになっていますが、ダイヤモンドプリンセスは、新型コロナウイルスの感染状況を知るための非常に貴重なケースです。その患者の多くを受け入れた自衛隊中央病院によるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)104症例のまとめが発表されました。以下は、その記事の抜粋です。
新型コロナウイルスに感染した「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者を受け入れた自衛隊中央病院は3月24日までに、陽性者104人の症例報告をまとめた。入院時に陽性者の約8割は無症状か軽症だったが、CTで調べると、その約半数の肺に異常な陰影が認められ、悪化した人もいた。「初期診断でのCTの有効性を示すものではないか」と指摘している。
同病院は、船内のPCR検査で陽性となり搬送された人のうち、公表に同意した104人の症例を分析。入院時の症状は発熱、せきの順に多かった。平均年齢は68歳で、48%に基礎疾患があり、高血圧が最多だった。
入院時は無症状と軽症者がいずれも約4割で、重症者は約2割。無症状や軽症であっても、胸部CT検査では約半数に異常陰影が認められた。その約3分の2は症状が変化することなく回復したが、残る約3分の1は悪化した。CT検査で肺に新型コロナの患者に類似する陰影があっても、PCR検査では陰性となるケースもあった。
自衛隊中央病院の発表によると、無症状の感染者であっても、胸部単純CT検査にて異常影が観察されることがあったそうです。おそらく、このウイルスは上気道よりも主に下気道を障害するために、咳や鼻汁などの症状を起こす前に肺のCT像の異常(肺炎)を起こすのだと思います。そのために、このような無症状の人たちが重症になる時には、発熱や咳嗽の増悪や呼吸困難の出現ではなく、高齢者ではSpO2の低下、若年者では頻呼吸の出現で気付くことが多かったのだと思います。
コメント