SGLT2阻害薬による腎保護作用: 看板に偽りあり?
以下は、記事の抜粋です。
聖路加国際病院の内分泌代謝科部長の能登氏がNew England Journalに掲載された”Canagliflozin and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes and Nephropathy”という論文の解説をしています(論文をみる)。
確かに、一次エンドポイントの他の要素である心血管死(これも二次エンドポイントですが)には有意差がなかったので、腎保護効果がほぼ実証された印象ではあります。しかし、原文を自分の目で冷静に確かめ、メディアや広告の見出し文句や大言壮語の看板に振り回されないように気をつけましょう。
心血管イベント二次予防効果が実証されており、腎保護や心不全リスク低下も再三示唆されています。メトホルミンへの上乗せ効果であり、長期的な効果持続性や安全性が未確立なので全般的にはまだ選択順位は高くはありませんが、肥満・大血管症・顕性蛋白尿・心不全を合併している症例では優先度が比較的に高まるでしょう。
結局、下の図のような糖尿病治療の方針は変わらないと思います。
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