アセトアミノフェンは失恋も癒す?

Acetaminophen may ease a broken heart

以下は、記事の抜粋です。


発熱や頭痛などの症状を抑える解熱剤、鎮痛剤として用いられる薬物の主要な成分であるアセトアミノフェンが身体の痛みだけではなく、社会的拒絶による心の痛みもやわらげるという報告です。

ケンタッキー大の心理学者C. Nathan DeWallは、身体の痛みと心の痛みは脳の中でオーバーラップしている――行動的および神経学的メカニズムを共有している――という。

1つめの実験では、健康なボランティアが1000mgのアセトアミノフェンあるいはプラセボ(偽薬)を毎日服用した。参加者は毎日夜になると、社会的痛み(心の痛み)を有効に測定する事が広く認められている方法でその日の心の痛みの程度を記録する。

その結果、傷ついた感情や心の痛みは、プラセボでは変化しなかったが、アセトアミノフェンを服用すると有意に減少したという。

2つめの実験では、25人の健康なボランティアに2000mgのアセトアミノフェンあるいはプラセボを毎日服用させた。参加者は3週間後、社会的拒否(social rejection)感情を生じるコンピューターゲームに参加した。

fMRI(functional magnetic resonance imaging、核磁気共鳴を利用して、脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法)を用いて参加者の脳活動を調べたところ、アセトアミノフェンは、心の痛みによる苦悩や身体の痛みの情動的要素と関連する脳の特定の部位における、社会的拒否に対する神経細胞の反応を減弱させることが明らかになった。

アセトアミノフェンを長い間あるいは大量に飲むと、重大な肝障害などの副作用が出るおそれがあるので、通常の目的以外の使用を考える場合は、使用説明書をよく読み、必要な場合は医師と相談するようにDeWall氏は述べた。


記事によると論文は、Psychological Science誌に掲載と書いてありますが、現時点ではまだ掲載されていません。

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