ひざの痛みを治すために飲んだグルコサミンが認知症の進行を早める!?

グルコサミンがアルツハイマー病の進行を加速させる可能性
以下は、記事の抜粋です。


フロリダ大学のTara R. Hawkinson氏らの研究グループは、ヒト死後脳およびADマウスを用いた解析から、脳内における過剰糖鎖付加(ハイパーグリコシル化)が病態進行の直接的な駆動因子(ドライバー)であることを突き止めた。

さらに、電子カルテデータベースの解析から、関節の健康のためのサプリメントとして広く普及するグルコサミンの使用が、ADの進行加速や死亡リスク上昇に関連している可能性が示唆された。

本研究では、ヒトAD死後脳サンプルの解析およびADマウスモデルを用いた糖鎖代謝の追跡実験を行った。また、糖鎖生合成経路の阻害による影響を評価した。臨床データの検証としては、電子カルテデータベースから抽出したAD関連認知症患者2万4,481例(うちグルコサミン使用者1,896例)および軽度認知障害(MCI)患者4万1,884例(同2,750例)を対象に、追跡期間中央値1,835日における生存率やAD関連認知症への移行率を後ろ向きに解析した。

主な結果は以下のとおり。

・ヒトAD患者の脳内(とくに灰白質)では、病期(Braakステージ)の進行に伴ってN-結合型糖鎖が有意に蓄積していた。
・ADマウスにおいて、糖鎖生合成の阻害は社会的記憶を有意に改善させた一方で、グルコサミンの投与は脳内の糖鎖蓄積を加速させ、記憶障害を著しく悪化させた。なお、健康な野生型マウスではこの悪化は認められなかった。
・電子カルテ解析の結果、グルコサミンを1年以上使用したAD関連認知症患者では、非使用者と比較して全死因死亡リスクが25%有意に上昇した(p=0.0023)
MCI患者において、グルコサミン使用者ではAD関連認知症への移行率(疾患進行リスク)が25%有意に上昇した(p<0.001)。

著者らは、脳内の過剰糖鎖付加がADの病態を進行させる能動的なリスク因子であると指摘している。糖鎖生合成経路が新たな治療ターゲットとなる可能性を示唆する一方で、認知症リスクを抱える患者がグルコサミン使用によって病態を悪化させる潜在的リスクが懸念され、今後は厳密な臨床試験による検証が必要であると結論付けている。


元論文のタイトルは、”Hyperglycosylation is a metabolic driver of Alzheimer’s disease(高糖鎖化は、アルツハイマー病の代謝的要因である)”です(論文をみる)。

一般的に、サプリメントの摂取習慣がある人は「健康への関心が高い」傾向にあります が、実際の健康状態や知的能力が高いとは科学的には証明されていません。むしろ栄養学や心理学の観点では、正反対の傾向が指摘されています(記事をみる)。

日本国内では、ひざ関節の違和感を和らげる機能が報告された機能性表示食品として多く販売されています。しかし、世界的な大規模臨床試験や主要な診療ガイドラインでは、グルコサミンの経口摂取による軟骨再生や強い疼痛緩和に対するエビデンスは不十分と評価されています。

ひざの痛みをとるために飲んだグルコサミンが認知症の進行を早めるとは、、、トホホ過ぎます。

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