繁殖期にオスが黄色くなるカエル メスへのアピールではなかった

繁殖期にオスが黄色くなるカエル メスへのアピールではなかった…オスだけ2日間ほどレモンイエローになるヘリグロヒキガエル、どういうこと?
以下は、記事の抜粋です。


インドのカルナータカ州で交尾するヘリグロヒキガエル。黄色いカエルはオスで、茶色いカエルはメスだ。

毎年、インドと東南アジアでモンスーンの雨が降り始くめると、ヘリグロヒキガエル(Duttaphrynus melanostictus)のオスがわずか10分ほどで茶色からレモンイエローに変わる。この変化が2日間にわたる狂乱の繁殖行動と一致することは長く知られていたが、最新の論文で、具体的な役割が解明された。

オーストリアのシェーンブルン動物園の研究者たちは調査のため、3Dプリンターでカエルをつくった。茶色いものと黄色いものを用意し、交尾(抱接)のために集まる本物のカエルの中に配置した。

その結果、オスのカエルは黄色のモデルをほぼ無視したが、メスと思われる茶色のモデルには頻繁に交尾を試みた。モデルの重さ、大きさ、色の彩度など、ほかの要素も変えてみたが、オスが最も引かれるモデルに影響を与える要素は色のほかにないようだった。

研究チームによれば、この結果は、カエルたちが間違いを防ぐため、自らを色分けしていることを強く示唆しているという。ほかの種のオスはしばしば、メスを引き付けるために鮮やかな色を誇示する。ところが、このヒキガエルではそうではなく、オスが信号機のような黄色に変化して、ほかのオスを避けられるシグナルを送っているという。オスは興奮状態になると、ほかのオスや違う種のヒキガエル、魚、さらには無生物とでも交尾を試みるという。

繁殖期が非常に短いため、カエルたちは素早く交尾相手を見つけなければならない。メスが少ないせいで、激しい競争が繰り広げられる。

このような研究は、動物の系統樹における色の進化について、科学者が考え方を改めるきっかけになるかもしれない。鳥やチョウのようなより魅力的な例を含め、私たちがすでに理解していると考えているグループでさえ、色彩シグナルの解釈を変えてしまう可能性がある。

ヘリグロヒキガエルの皮膚の下では、色素胞と呼ばれる特殊な細胞が層になっている。黒い色素を含むものもあれば、黄色や赤色の色素を持つものもある。さらに、3つ目のタイプは小さな鏡のように光を反射する。アドレナリンのようなストレスホルモンがカエルの体に作用し、色素の配置を変え、反射板を傾けるよう仕向けるようだ。


要するに、メスを引きつけるためではなく、同性に交尾されないように色が変わるという話です。

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