最大の中毒問題は「たばこと酒」、初めて世界統計がまとまる
以下は、記事の抜粋です。
アルコール、たばこ、認可されていない精神薬、ギャンブルなど、依存症のデータを世界中から入手した初めての総括がまとまった。最大の問題は、たばことアルコールの使用で、最も大きな害を及ぼしていると結論付けている。
オーストラリアのアデレード大学の研究者を中心とする国際的な共同研究グループは、依存症や中毒に関するデータを、WHO、国連薬物犯罪オフィス、アルバータ・ギャンブル研究所から収集した。
推計で、世界の成人人口の4.9%(2億4千万人)がアルコール使用による障害に苦しんでいる。男性人口の7.8%、女性人口の1.5%となっている。さらに、世界の成人の22.5%(10億人)が、たばこ製品を消費。男性人口の32.0%、女性人口の7.0%となる。1年間の男性の死亡の11%、女性の死亡の6%が、たばこが原因の死亡となっている。
研究グループは、研究のデータを、アルコールの乱用とたばこの喫煙削減に使ってほしいと希望する。
元論文のタイトルは、”Global statistics on addictive behaviours: 2014 status report.”です(論文をみる)。
以前の関連記事でも紹介しましたが、The Lancet誌に、社会的な影響も考慮すればアルコールはヘロインやクラック・コカインなどの違法薬物よりも危険だとする研究結果が発表されています(論文をみる)。
Lancetの論文によると人体への有害性はヘロイン、クラック・コカイン、メタンフェタミンが最も高かったけれども、医療制度に及ぼす影響などの広範な社会的影響を考慮した場合は、アルコールが最も危険で、ヘロインやクラック・コカインがあとに続き、100を最高とした危険度は、アルコールが72で、ヘロインが55、クラック・コカインが54だと結論しています。タバコについては、調べられていませんでした。
今回の論文も、酒は大麻などよりも危険だと結論しています。私の周辺にも、アルコール依存になり、60歳になる前に亡くなった友人が複数名います。アルコール依存は、タバコと異なり家族以外の友人や職場の人々が気づきにくい依存症です。
アルコールには甘い日本政府ですが、厚労省のホームページには重要な情報がしっかりと書かれています(ホームページをみる)。できれば良く読み、上手にお酒を楽しんでください。
関連記事
服用者自身への有害性と他者への有害性を総合すると、最も有害な薬物はアルコールである
コメント