シロビタイムジオウムの革新的な味付け行動

グルメなオウム!おいしく食べるため餌をソースにつけ、味付けをすることが判明
以下は、記事の抜粋です。


ウィーン獣医大学の研究者チームは、インドネシアに生息する、シロビタイムジオウムが、与えた食べ物を、味付きのヨーグルトに浸して食べるという驚きの行動を確認した。

この行動は単なる偶然ではない。その証拠に、オウムたちは食べ物を水に浸けることはせず、味のついたヨーグルトにだけ浸してから食べるという選択をしていたのだ。味をつけておいしく食べる工夫は、霊長類では確認されていたものの、鳥類で確認されたのは初めてだという。

研究チームは、合計18羽のシロビタイムジオウムを対象に、茹でたジャガイモ、フジッリ(ねじれた形のショートパスタ)の2種類と、これらの食材を浸すことができる、新鮮な水、ブルーベリー味の豆乳ヨーグルト、味のないプレーンな豆乳ヨーグルトの3種類が用意した。そして30分間の観察を14回実施した。

観察の結果、18羽のうち9羽が食べ物を液体につけるディップ行動を示し、特にブルーベリーフレーバーのヨーグルトに食材を浸す傾向が強かった。一方で、水には一切食材を浸さなかったため、単なる「ふやかし」や「洗浄」といった目的ではないことが明確になった。

さらに、ブルーベリーヨーグルトに食材を浸す回数は、味のないプレーンヨーグルトの2倍以上に達しており、単なる食感の違いではなく、明確に味付を求めていることがわかった。

ゆでたジャガイモをブルーベリーヨーグルトにつけるシロビタイムジオウム

また、食材の選び方にも特徴があった。ショートパスタのフジッリは、ジャガイモよりも頻繁にディップされる傾向があり、1羽あたりの平均回数はフジッリが12回、ジャガイモが6回だった。これは、フジッリの方がヨーグルトをより多く吸収しやすいため、オウムたちにとって「味がよく染み込む食材」として好まれた可能性がある。

食べ物をヨーグルトに浸していた時間は平均3.2秒であり、過去の研究で報告された「乾燥した食べ物を水に浸して柔らかくする行動(平均22.9秒)」とは大きく異なっていた。

このことから、オウムたちは単に食べ物を柔らかくするのではなく、味を楽しむためにヨーグルトを使っている可能性が高いと考えられる。

ブルーベリーヨーグルトをソース代わりに食べ物につけるシロビタイムジオウム

シロビタイムジオウムは、好奇心が強く、環境に適応する力が高いため、ペットとしても人気がある。しかし、生息地の森林伐採や違法なペット取引により、絶滅危惧種(IUCNレッドリストでは「危急種(VU)」)に分類されている。

過去の研究では、道具を作って使う能力や複数のステップを踏む問題解決能力が確認されており、一部の霊長類と同じレベルの知能を持つと考えられている。今回の研究は、それに加えて「食べ物の味を調整する」という新たな認知能力を示す証拠となった。


元論文のタイトルは、”Innovative flavoring behavior in Goffin’s cockatoos(シロビタイムジオウムの革新的な味付け行動)”です(論文をみる)。

興味深い話です。カラスでも調べて欲しいですが、賢くても警戒心が強いのでやらないような気がします。

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