諦めない心。ニホンウナギの稚魚は捕食者に飲み込まれても消化管をさかのぼりエラから脱出する
以下は、記事の抜粋です。
自分を丸のみにした捕食者の体を突き破って脱出すると聞くと、「それって映画エイリアンで見たやつ」と思う人も多いが、「ニホンウナギ」の稚魚は、実際にそれに近いことをやってのけるそうだ。
とはいっても体を突き破るわけではない。飲み込まれると、胃から食道といった逆のルートで捕食者の消化管をさかのぼり、エラの隙間からするりと抜け出していくのだ。
ニホンウナギの稚魚が大きな魚から脱出することならすでに知られていた。ではどのように脱出しているのか?問題はその脱出ルートだ。普通なら口から逃げていくと考えるだろう。
長崎大学大学院の長谷川 悠波 助教と河端 雄毅 准教授らは、ウナギの稚魚に造影剤を注入するという方法で、その大脱劇をX線撮影してみることにした。
魚の胃におさまった稚魚は、尾を食道へとグッと差し込む。そのままバックしつつ、体をくねらせ尾で食道内を探る。そしてエラを見つけるとその隙間からにょろりと尾を出す。そして最後はエラから頭をスポンと抜いて、魚から脱出するのだ。
長崎大学の研究チームよれば、、魚に食べられたウナギの稚魚34匹のうち、無事脱出できたのは9匹だけだ。エラから尾を出すまではいったが、そこで力尽きた稚魚もいたし、うっかり肛門方向へ尾を差し込んだため、やはり脱出に失敗した稚魚もいた。
また魚の胃のなかは危険な場所であり、稚魚に残された時間は限られている。魚の胃に完全に落ちてしまった稚魚はぐるぐるともがきながら脱出口を探すが、だんだんと弱っていき、200秒(3分20秒)もすると完全に動かなくなる。
このように捕食動物に食べられながらもお腹から脱出するケースは、魚に限らず、動物全体で非常に珍しいそうだ。小さな稚魚にそんなことができる秘訣は、強力な酸が分泌され、酸素も乏しい胃のなかの過酷な環境に耐性があることだと考えられるという。
脱出する動画もあります。
元論文のタイトルは、”How Japanese eels escape from the stomach of a predatory fish(ニホンウナギはいかにして捕食魚の胃から脱出するか)”です(論文をみる)。
200秒以内に脱出しないと死んでしまう。生きて脱出できる確率は1/3というのは厳しいです。動画はX線像なのでわかりにくいですが、それでもハラハラします。
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