一番人気の猫、特徴の「折れ耳」は病気 かわいさ求める消費者の罪
以下は、記事の抜粋です。
人気猫種No.1のスコティッシュフォールド。その「折れ耳」は、優性遺伝する病気の症状の一つだと知っていますか? なぜ、犬種や猫種に特有の遺伝性疾患が存在するのか。背景を探ると、子犬や子猫を買い求める消費者の側にも問題があることがわかってきました。
耳が折れ曲がって丸い顔が際立つ、スコティッシュフォールド。ペット保険大手のアニコム損害保険が毎年発表している人気猫種ランキングで、2021年まで13年連続で1位の座にある。
だが実は、人気の要因となっている「折れ耳」は、優性遺伝する骨軟骨異形成症の症状の一つ。原因遺伝子を両親から計二つ受け継いで重症化すれば、四肢に骨瘤ができ、歩く際に脚を引きずるようになったりする病気だ。鹿児島大の大和修教授(獣医臨床遺伝学)はこう指摘する。
「スコティッシュフォールドは『猫種』と捉えるのではなく、『病気の猫』と見るべきだ。そんな猫が日本では人気ナンバーワンというのは、かなり深刻な状況と言える」
スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症候群については、詳しい記事があるのでそちらをご覧ください(記事をみる)。簡単に説明すると、を軟骨が覆って、滑らかな動きができるようになっています。骨軟骨異形成症では、関節内で骨の表面を覆う軟骨の構造に成長段階で異常が起こります。
この病気は、細胞のカルシウム透過性イオンチャンネルをコードするTRPV4という遺伝子の1アミノ酸変異(V342F)で起きる常染色体優性遺伝する遺伝病です。
折れ耳は、耳の軟骨が構造異常で硬くなり、前方に垂れ下がっているためにおこります。折れ耳の親からは、必ず折れ耳の子猫が生まれます。折れ耳のスコティッシュ・フォールドは、必ず骨軟骨異形成症にかかっており、特に折れ耳同士で交配してできた子には関節異常の症状が強く現れる傾向があります。
上記のように関節内での軟骨が異常なので動かすと痛みが生じると思われます。スコティッシュフォールド が「穏やかでおとなしく、あまり動かない」といわれるのも、痛みのために活発に動けない可能性があります。下の写真のような「可愛い」座り方も痛みを和らげるためかもしれません。
高価で売買されているのに驚きました。
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