河野氏、ワクチン差別防止へ指針「アレルギーで打てない人もいる」
以下は、記事の抜粋です。
河野太郎行政改革担当相は4月8日、東京都内で共同通信のインタビューに応じた。新型コロナウイルスワクチンを巡り、接種できない人への差別が生じないよう、ガイドラインを策定する考えを明らかにした。「アレルギーで打てない人もいる」と述べた。非接種を理由にした飲食店、イベント会場への入店・入場拒否を未然に防ぐ狙い。
河野氏はワクチン接種を巡り「飲食店やエンターテインメント会場とか『接種していない人はお断り』という事態は避けるべきだ」と表明。田村憲久厚生労働相や専門家らと協議し、ガイドラインの制度設計に取り組む考えを明らかにした。
現在行われている自民党の総裁選に口出しする気はありませんが、ワクチン担当大臣の「アレルギーで打てない人もいる」という発言は、いろいろなものに対してアレルギーがあるヒトを「ワクチンを打てない」と思わせていると思います。
実際には、ワクチンを打てないのは以下の条件に当てはまるヒトです(厚労省のサイトより)。
・明らかに発熱している方(明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。)
・重い急性疾患にかかっている方
・ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症(アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。)の既往歴のある方
・上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある方
上記のように、アレルギーで問題になるのはワクチンの成分に対してだけで、かつ重度の過敏症を示したことがあるヒトだけです。厚労省のサイトでは、海外の例を紹介して、方他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのあるも、新型コロナワクチンの接種が可能としています。 一方、過去に新型コロナワクチン(mRNAワクチン)に対して、アナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こした方や、同ワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨していません。
ポリエチレングリコール(PEG)は、病院で腸内検査をする際に用いる腸管洗浄剤の主成分であり、また、飲み薬や塗り薬、目薬等の添加物としても用いられます。医薬品以外では、ヘアケア製品や歯磨き粉等の医薬部外品に用いられており、保湿等を目的として化粧品にも含まれています。ポリエチレングリコールとよく似たポリソルベートは、医薬品の他、乳化剤などの食品添加物として様々な食品に用いられています。
実際にファイザーのワクチンについては100万回で約5人、モデルナでは約2.8人がアナフィラキシーショックを示したと報告されていますが、どちらも死亡には至っていません(サイトをみる)。
ということで、他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのある方もワクチンを打てるので、「アレルギーで打てない人もいる」というのは誤解を産む発言だと思います。
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