ファイザーの禁煙薬で心臓病リスク高まる恐れ、米FDA
以下は、記事の抜粋です。
FDAは6月16日、ファイザー(Pfizer)の禁煙薬チャンティックス®(一般名:バレニクリン varenicline)について、循環器系の既往症がある人の心臓病リスクをわずかながら高める恐れがあるとして、添付の説明書に注意書きを加えるよう指示した。
喫煙者700人を対象とした臨床試験で、プラセボと比較して心臓発作、狭心症、動脈血栓症のリスクが増加する傾向が、一部対象者に見られたという。
FDAは、チャンティックスの添付文書に心臓病リスクについて但し書きを追加するよう指示するとともに、ファイザーに大規模な臨床試験を実施し、終わり次第その結果を公表するよう命じた。米国では今年に入り、チャンティックスの服用によって抑うつや自殺願望が起きたとして、約1200人がファイザーを相手取り訴訟を起こしている。
バレニクリン(チャンティックス®)は、2008年の4月に保険薬として薬価収載された禁煙補助内服薬です。
バレニクリンは、ニコチン受容体の部分アゴニストで、シナプスの末端からニコチン自身よりも軽度にドパミンを放出させます。これによって、ニコチン渇望感が減じ、喫煙しなくても、禁煙に伴う離脱症状を緩和することでタバコを我慢しやすくなります。
またバレニクリンは、ニコチン受容体に結合して部分アンタゴニストとしても作用するため、喫煙した時の陶酔感・満足感が減少し、喫煙への逆戻りを防ぎます。さらに、ニコチンよりも半減期がはるかに長く(約24時間)、長時間有効です。
バレニクリンの禁煙オッズ比はプラセボに比べて3.22倍有意に高く、ニコチン製剤の1.58倍、第1世代の内服薬であるブプロピオンの1.94倍に比べて、より高いオッズ比を示しています(下表参照)。
このように、素晴らしい薬だと思われていたのですが、他の一般的な薬と比べて18倍暴力的になる「最も暴力と関連すると思われる薬物」だという報告もあります。
タバコを吸い続けるよりは良いとは思いますが、禁煙のためにバレニクリン(チャンティックス®)を服用するかどうかは難しい問題ですね。
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(suzukenより)
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