テルモの血液成分分離装置、新型コロナウイルスに対して米国での緊急使用が許諾 吸着カートリッジと組み合わせて、サイトカインストーム抑制を期待

テルモの血液成分分離装置、新型コロナウイルスに対して米国での緊急使用が許諾…吸着カートリッジと組み合わせて、サイトカインストーム抑制を期待
以下は、4月13日に発表されたテルモ社のプレスリリースからの抜粋です。


4月9日、テルモ株式会社の遠心型血液成分分離装置「スペクトラオプティア」が、米国食品医薬品局(FDA)から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者さんを対象とする緊急使用の許諾(EUA: Emergency Use Authorization)を受けました。

Marker Therapeutics AG社(スイス )の「D2000吸着カートリッジ」と組み合わせて、新型コロナウイルス感染症を原因とする呼吸不全で集中治療室に入院している18歳以上の患者さんに使用することが条件です。新型コロナウイルス感染症に対するEUAは、検査キット、診断機器、防護服(PPE)などには出されていますが、このたび初めて「スペクトラオプティアとD2000吸着カートリッジの組み合わせ」が治療機器として許諾を受けました。

インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症では、ウイルスを排除するために分泌されたサイトカインが、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応を起こし、重篤な呼吸障害につながることが知られています。

スペクトラオプティアは、患者さんの血液を専用のディスポーザブル回路に通すことで、血球と血漿に分離します。回路に接続したD2000吸着カートリッジが、血漿中に存在するサイトカインを減らし、血液は、また患者さんの体内に戻ります。サイトカインの減少により、サイトカインストームが抑制され、呼吸障害の改善が期待されます。

現時点で、FDAが新型コロナウイルス感染症に対して治療効果があると承認した医療機器はなく、スペクトラオプティアとD2000吸着カートリッジの組み合わせも、公衆衛生の緊急事態である期間のみの使用許諾です。

スペクトラオプティアとD2000吸着カートリッジ


コロナウイルス感染で重症化するヒトのすべてでサイトカインストームが起こっているとは思いませんが、血中サイトカイン値が高く多臓器不全の可能性がある場合は、サイトカインの除去は有効だと思います。先日の抗IL-6受容体抗体でサイトカインストームを鎮めるという話につづく重症化対策の話です。

レムでシビルにしてもアビガンにしても、サイトカインストームが起こってしまった重症例にはあまり効くとは思えないので、是非とも確立して欲しい治療法の1つだと思います。

日本では、例によって使用はまだまだなのでしょうか?

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