イングランド公衆衛生庁(PHE)は、電子たばこは通常のたばこよりも害が少なく、禁煙手段として処方すること勧めている

以下のタイトルをみるといかにも電子タバコは体に悪そうですが、良く読むと、「電子タバコは体に悪くないと思われているけど、思ったよりも悪いのではないか?」という内容です。
電子たばこが免疫細胞を破壊する可能性、英研究で明らかに  元記事のタイトルは、”Vaping ‘can damage vital immune system cells'”です(元記事をみる)。

日本禁煙学会は、加熱式電子タバコについて「『加熱式電子タバコ』は、普通のタバコと同様に危険です。受動喫煙で危害を与えることも同様で、認めるわけにはいきません」という見解です(学会のコメントをみる)。

また、日本呼吸器学会は、以下のような見解です(学会のコメントをみる
1. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は、健康に悪影響がもたらされる可能性がある。
2. 非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用者が呼出したエアロゾルは周囲に拡散するため、受動吸引による健康被害が生じる可能性がある。従来の燃焼式タバコと同様に、すべての飲食店やバーを含む公共の場所、公共交通機関での使用は認められない。

タイなどと比べても、公共の場での喫煙に甘い国なのに、学会は電子タバコにも厳しいです。

ところが、イングランド公衆衛生庁(PHE)は、電子タバコは通常のタバコよりも害が少なく、禁煙手段として処方することをためらってはいけないと発表しています(記事をみる)。上の記事では、以下のように書かれています。


(PHEの)報告書では、加熱式電子タバコは通常のたばこと比べて非常に安全であり、受動喫煙者への影響もわずかだという「圧倒的な証拠」があると結論付け、また禁煙補助としても効果があったことから、処方対象にすべきだと助言した。

David Thickett教授は、電子タバコの蒸気が肺にある重要な免疫細胞の活動を止め、肺の炎症を加速させることを発見した実験結果から、電子たばこは伝統的なタバコよりも安全だが、研究が初期段階のため、長期的には有害である可能性があると話した。

PHEのタバコ管理局を率いるMartin Dockrell氏は「電子タバコは100%危険性がないわけではないが、喫煙よりはるかに有害でないことは明らかだ」、「電子タバコへの切り替えを考えている喫煙者は一刻も早くそうするべきだ」と話した。


つまり、電子タバコでは「たばこの煙に含まれる発がん物質の分子については、明らかに数が減っていた」ので、「がんの危険性については(たばこよりも)安全だと言えるが、電子タバコを20年、30年と吸えば慢性閉塞性肺疾患の原因になるかもしれず、これについて知る必要がある」、さらには、「電子タバコが通常のたばこより有害だとは思っていないが、我々が信じ込まされているような安全性があるかどうかについては、慎重に疑ってみることが必要だ」というのが、David Thickett教授のこの記事での主張なのです。

まさか、PHEのMartin Dockrell氏がタバコメーカーに買収されているとは思えません。

ということで、以前にも書きましたが、紙巻きたばこを吸っていてやめられないヒトが、自分の健康被害を減らすために電子タバコ(加熱式タバコ)に替えるのは正解のようです。

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