洞窟から脱出の少年らはパニック避ける薬服用 潜水時の恐怖軽減のため
以下は、記事の抜粋です。
タイのタムルアン洞窟に閉じこめられた地元サッカーチームの少年らは、泥水の中を潜水して洞窟を脱出する際、恐怖を軽減させて「パニックを起こさないようにするための薬」を服用していたことが7月11日までに分かった。タイのプラユット首相が記者団に明らかにした。
全長約10キロの出入り口から約4キロの場所に閉じこめられた少年らは、潜水と徒歩を繰り返して脱出することを余儀なくされた。
洞窟内は暗くて空気が薄く、水には泥がまじる。潜水して進むルートは狭く曲がった場所もあり、救助に当たった潜水士の一人は「極度に危険な潜水で、明かりは自分たちが手にしているライトのみだ」と話した。少年1人につき潜水士2人が付き添ったが、潜水と水泳の経験がほとんどない少年らにとって、暗黒の水の中を進むことは大変な恐怖が伴ったに違いない。
上の記事の「パニックを起こさないようにするための薬」が何かを調べてみました。日本のニュースには記載がありませんでしたが、以下の外国のニュースに記載がありました。
Air force specialist describes Thai cave mission as ‘once-in-a-lifetime rescue’
他にも記事がありましたが、記載は共通でした。以下は、その抜粋です。
THE 12 Thai soccer players rescued from a flooded cave were given ketamine, according to a British diver involved in the rescue.
There are reports the boys were sedated before they were removed from the cave, in order to keep them calm as they were extracted.
Thai Prime Minister Prayuth Chan-O-Cha clarified that it was an anti-anxiety medication, but they were still conscious.
“Who would chloroform them? If they’re chloroformed, how could they come out? It’s called anxiolytic, something to make them not excited, not stressed,” he said at a press conference in Bangkok.
But a British diver said: “I was told the boys were given a dose of ketamine”, referring to the horse tranquilliser often used as a recreational drug.
An American diver involved in the rescue that the “kids were proper knocked out”.
Spanish diver Fernando Raigal told the Mail: “The boys were sedated – they were unconscious”.
These claims have been denied by the Thai Prime Minister who said all boys were conscious during the rescue mission.
プラユット首相は、「anti-anxiety(抗不安薬)で鎮静していたが意識があった」と主張しているようですが、救出にあたったダイバーの1人が「ketamine(ケタミン、ケタラール®)を投与されて意識がなかった」と言っており、他の2人のダイバーも意識がなかったと言っているので、ケタミンが使われたと思われます。なぜ、首相とダイバーの主張が違うのかわかりません。日本の記事は首相の意見だけを載せています。
滋賀医大のサイトに書かれているように、ケタミンは全身麻酔薬として使われます。英語の記事には馬などの動物の麻酔に使われると書かれていますが、ヒトにも使われます。静脈注射でも筋肉注射でも使えます。特に、子供ショック状態に対して使われ、導入・覚醒が速く呼吸抑制作用がないので、今回の目的にあっていたと思われます。
救出中の画像をみても、意識があって潜水と徒歩を繰り返したようには見えません。
病室での子供達です。元気そうです。
コメント