電子タバコでの禁煙は有効性が低い?禁煙外来での成功率は34%、自力での成功率は33%?!

紙巻タバコの禁煙方法と有効性を調査…電子タバコでの禁煙は有効性が低い
以下は、記事の抜粋です。


国立がん研究センターがん対策情報センターは、電子タバコの禁煙の有効性を確認するため、過去5年間に紙巻きタバコの使用をやめる禁煙行動に取り組んだ禁煙施行者約800名について、禁煙方法と禁煙成功者数、失敗者数を調査、分析を行いました。

電子タバコ使用による禁煙の有効性は低く、電子タバコを使用した人は、使用しなかった人よりもタバコをやめられた人が38%少なく、電子タバコが禁煙の成功確率を約1/3低下させていることが示されました。一方、禁煙外来を受診して、薬物療法(ニコチンを含まない薬の処方)を受けた人では、禁煙の成功確率を約2倍に上昇させていることが示されました。

断面調査であり様々な調査上の限界や制約はあるものの、わが国では電子タバコによる禁煙の有効性を否定する結果が示されました。


どう考えてもおかしい研究です。この記事では、紙巻きタバコから電子タバコに替えて吸い続けている段階を「禁煙」とよんでいるのかどうかが不明です。研究グループは、電子タバコを買う目的が、禁煙ではなく「体に優しいタバコ」に替えるだけというヒトが多くいることを知らないのでしょうか?むしろ、それでこの数字なら評価できると思います。

あと、記事に載っている下の表をみると、一番効果のありそうな禁煙外来受診者で、96人中33人(34%)が禁煙成功、一方、一番効果のなさそうな「自力で」というヒトで、666人中220人(33%)という数字に驚きました。禁煙外来にはほとんど意味がないのでしょうか?

全体 禁煙失敗者
(現在喫煙者)
禁煙成功者
(現在非喫煙者)
p
人数 % 人数 % 人数 %
798 100.0 545 100.0 253 100.0
実施した禁煙方法(複数選択)
 電子タバコ 159 19.9 120 22.0 39 15.4 0.030
 薬局・薬店で販売されている禁煙補助剤 217 27.2 151 27.7 66 26.1 0.632
 禁煙外来の受診 96 12.0 63 11.6 33 13.0 0.549
  ニコチンを含まない薬の処方 68 8.5 43 7.9 25 9.9 0.348
  その他(処方薬なし、またはニコチン置換療法) 56 7.0 39 7.2 17 6.7 0.822
 禁煙本などを用いた自力での禁煙 666 83.5 446 81.8 220 87.0 0.070
性別 0.451
 男性 532 66.7 368 67.5 164 64.8
 女性 266 33.3 177 32.5 89 35.2
年齢 0.008
 20–29歳 99 12.4 62 11.4 37 14.6
 30–39歳 177 22.2 113 20.7 64 25.3
 40–49歳 190 23.8 138 25.3 52 20.6
 50–59歳 181 22.7 139 25.5 42 16.6
 60–69歳 151 18.9 93 17.1 58 22.9
喫煙開始年齢 0.237
 20 歳未満 224 28.1 146 26.8 78 30.8
 20歳以上 574 71.9 399 73.2 175 69.2
婚姻 0.003
 既婚 516 64.7 333 61.1 183 72.3
 未婚 198 24.8 144 26.4 54 21.3
 離別・死別 84 10.5 68 12.5 16 6.3
既往歴 (複数選択)
 がん、心血管疾患 53 6.6 39 7.2 14 5.5 0.392
 高血圧 158 19.8 113 20.7 45 17.8 0.331
 糖尿病 61 7.6 45 8.3 16 6.3 0.339

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