「肌に全くトラブルのない健康人の、生まれ持った本来の肌色(地肌の色)をさらに白くする」という目的におけるトラネキサム酸のエビデンスは、ほぼ存在しません

「トラネキサム酸」(代表的な商品名:トランサミン)は、もともと術後の出血を抑える目的で作られた「止血剤」として、1962年に日本の研究者(岡本彰祐・岡本歌子)によって開発されました。血栓を溶かす酵素(プラスミン)の働きを抑えることで、異常な出血を止める効果があります。

最近、美白目的でトラネキサム酸を服用している複数の女性にあったので、そのエビデンスをAI(Gemini)に聞いてみました。

その答えは、「トラネキサム酸の美白・色素沈着改善効果に関するエビデンスは、「肝斑(かんぱん)」の治療において最も豊富かつ強固に確立されています。」というもので、以下のようなエビデンスがありました。


肝斑患者231例を対象にした国内の多施設共同無作為化比較試験において、トラネキサム酸配合薬を8週間内服したグループは60.3%の色素沈着改善率を示し、ビタミンC内服群(26.5%)と比較して有意に高い効果が確認されています。


しかし、以下のようにもかかれていました。


効果のあるシミの種類:「肝斑」や、ニキビ跡・レーザー後の「炎症後色素沈着」には高いエビデンスがあります。しかし、加齢による一般的なシミ(老人性色素斑)や、そばかすに対しては「これ以上濃くなるのを防ぐ(予防)」効果が中心で、完全に消失させるのは難しいとされています

●長期服用のリスク(内服):低用量での血栓症リスクは極めて低いと報告されていますが、もともと「血を固まりやすくする(止血)」作用があるため、ピルを服用中の方、血栓症の既往がある方、妊娠中の方は原則として内服を避ける必要があります


さらに、「肝斑ではなく、通常の健康人の皮膚の色を白くする効果のエビデンスは?」と聞いてみました。


結論から申し上げますと、「肌に全くトラブルのない健康人の、生まれ持った本来の肌色(地肌の色)をさらに白くする」という目的におけるトラネキサム酸のエビデンスは、ほぼ存在しません。トラネキサム酸の美白効果の本質は、地肌を白く漂白することではなく、「紫外線や摩擦などの刺激によって引き起こされる、過剰なメラニン生成(シミやくすみ)を阻止し、本来の肌色に保つ・戻す」ことにあります。


美白目的でトラネキサム酸を服用するような女性たちは、陽やけなどによる過剰なメラニン生成を抑えるためではなく、地肌が白くなると思っているのではないでしょうか?関係ないですが、私は定年近くの岡本彰祐先生の講義を受けました。

以下のような場合はすぐに内服をやめましょう。

●ピル(経口避妊薬)を服用中の方(ピル自体に血を固まりやすくする作用があるため併用は原則NG)
●血栓症の既往歴・家族歴がある方(本人や家族に脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症などの経験者がいる)
●リスクの高いライフスタイル(35歳以上の喫煙者、肥満、高血圧、糖尿病など)
●年齢(血管が老化し血栓ができやすくなる50歳以上の高齢者)

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