ノーベル賞受賞者100人以上が遺伝子組み換え食物に反対するグリーンピースを非難する書簡に署名
以下は、記事の抜粋です。
ノーベル賞を受賞した107名の科学者が、「遺伝子組み換え作物の普及を国際環境NGOのグリーンピースが妨げているのは科学的ではないので反・遺伝子組み換え作物キャンペーンは即刻やめるべき」とする書簡に署名しました。
1993年の生理学・医学賞受賞者のPhillip Allen Sharp氏は書簡で、「遺伝子組み換えによってビタミンA欠乏症を減らすことのできるゴールデンライスの導入をグリーンピースが阻止していることで、発展途上国の子どもたちの多くが失明や死の危険にさらされている」と主張しています。
「ゴールデンライス」とは、遺伝子組み換え技術によってビタミンAを作るβカロテンを多く含む米のこと。発展途上国でビタミンA欠乏症に苦しむ人たちを救う食物になるとして、導入が検討されている遺伝子組み換え作物です。
Sharp氏は、「私たちは科学者です。科学の論理を理解しています。グリーンピースは科学的な裏付けのない状態で、人々をわざと怖がらせています」と述べ、グリーンピースを中心とする反・遺伝子組み換え食物の姿勢をとる団体の主張には科学的な根拠がないと主張しています。
ゴールデンライスの導入に対しては、安全性を懸念する声があります。例えば、フィリピンでは、ビタミンA欠乏症対策をするのであれば、ゴールデンライスの代わりにβカロテンの豊富な国産のフルーツや野菜の栽培を奨励すればこと足りるという意見もあるとのこと。
グリーンピースジャパンのゴールデンライスに対する主張はホームページで公開されています(ホームページをみる)。
ノーベル賞学者が100人以上署名というのは、賞の権威を笠に着て世論をねじ伏せようという感じがします。それでも、グリーンピースに対する効果という意味では、無駄な署名に終わると思います。
「ゴールデンライスの代わりにβカロテンの豊富な国産のフルーツや野菜の栽培を奨励すればこと足りる」という意見があるのを知って、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という意見を思い出しました。
「遺伝子組換え作物」は遺伝子解析をすれば自然の突然変異を利用して品種改良した作物と区別することができますが、最近流行の「ゲノム編集」技術を利用して改良した作物はできません。グリーンピースがどう対応するのか楽しみにしています。
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