オオカミが絶滅寸前から復活したヨーロッパで家畜や人間の襲撃事件が増加、果たして共生は可能なのか?
どこかで聞いたような話です。以下は、記事の抜粋です。
ヨーロッパオオカミはユーラシア大陸に広く分布するオオカミですが、生息地の破壊や公的な駆除計画によって、20世紀半ばには西ヨーロッパの個体群がほぼ絶滅状態まで追い込まれました。近年は保護政策などによりオオカミの個体数が回復していますが、同時に家畜や人間を襲撃する事件が増えているとのことです。
2025年夏、オランダ第4の都市であるユトレヒト近郊の自然公園を家族と散歩していた6歳の男児が、オオカミにかみつかれて森に引きずり込まれそうになる事件が発生しました。幸いにも近くにいた大人が棒でオオカミをたたいたため、男児が連れ去られることはありませんでしたが、脇腹や胸にかみつかれてけがを負いました。
男児のTシャツに残ったDNAを鑑定した結果、犯人のオオカミは「ブラム」と名付けられている個体であると判明。ブラムは2カ月前の2025年5月にも女性の脚にかみついたほか、2024年の夏にも子どもにかみつこうとするなどの事件を起こしていたとのこと。
オオカミによる人の襲撃事件はまれですが、羊などの家畜がオオカミに襲われることはしばしばあるため、オランダの農家らは対策を求めています。一部の政治家はオランダのオオカミを撲滅することを主張しており、オオカミ研究者は反オオカミ陣営からも動物愛護団体からも批判され、板挟みになっているそうです。

かつて西ヨーロッパのオオカミ個体数は減少の一途をたどっており、1970年代にはイタリアやスペイン、ポルトガルに少数の個体群が生き残るのみでした。ところが1979年、ヨーロッパの野生動物および自然生息地の保全に関する条約(ベルン条約)が制定され、ヨーロッパ全土でオオカミの保護が強化されました。
その結果、1980年代にはロシア西部やフィンランドからオオカミがスウェーデンとノルウェーに流入し、中央ヨーロッパの個体数も大幅に増加。1990年代後半にはポーランド西部からやってきたオオカミがドイツ国内で目撃されるようになり、記事作成時点ではドイツ・デンマーク・オランダ・ルクセンブルク・ベルギー・スイス・イタリア・フランスなどのEU加盟国で、合計約2万3000頭ものオオカミが生息しているとのこと。
オオカミの個体数増加は自然保護の観点からすれば喜ばしいことですが、同時に人間や家畜への被害が問題視され、人間とオオカミの共生についての課題が提起されています。すでに一部の市民らは自らオオカミを駆除し始めており、2026年4月にはイタリアの国立公園で18頭のオオカミが毒殺される事件が発生しています。
また、EUは2024年にオオカミの保護分類を見直すことを提案し、2025年3月付けで基準が「厳重保護」から「保護」に引き下げられました。これにより、「住民を危険から保護する観点」に基づいてオオカミの捕獲・狩猟が可能となり、大幅に狩猟基準が緩和されることとなりました。
なお、Scienceは欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏の一家が飼っていたポニーが2022年にオオカミに殺害されたことに触れ、この基準緩和は個人的な動機によるものだったと指摘しました。
多くの科学者らは今回の規制緩和が時期尚早だったと考えており、オオカミの個体数は見かけほど安定したものではないと指摘。環境の変化に耐えうるだけの遺伝的多様性を持つ個体数は、ヨーロッパオオカミの場合500頭と推定されていますが、7つの遺伝的集団のうち500頭を超えているのはわずかです。
農村部ではオオカミの影響が都市部よりも大きく、「首都のアムステルダムに住んでいる人なら『オオカミが戻ってきてよかった』と言うのは簡単です。人々はオオカミが日常生活に与える影響を過小評価していると思います」と述べる人もいます。
また、オランダでは「活動家がスロベニアからオランダにオオカミをトラックで運び込んだ」「オランダのオオカミは実際にはオオカミと犬の交雑種であり、保護に値しない」といったうわさも広まっているとのこと。なお、後者についてはDNA研究によって誤りであることが示されています。
オランダ・ラドバウド大学のマーティン・ドレンセン氏は、オオカミと共存するにはある程度の予測不可能性を受け入れる必要があると指摘。「社会は完全に制御できないことがあるという事実を受け入れ、そしておそらくオオカミの野生性と共に生きることを学ぶ必要があります」と述べました。
農村と都市と動物愛護団体と科学者と政治家と、、、デマと、、、「いづこも同じ 秋の夕暮」


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