キリンの群れにはこれまで知られていなかった「複雑な女性社会」があることが判明

キリンの群れにはこれまで知られていなかった「複雑な女性社会」があることが判明
以下は、記事の抜粋です。


キリンはこれまで、動物学者たちの間で「社会的な動物ではない」と考えられてきました。しかし、キリンの群れに関する膨大なデータを分析した研究により、キリンたちはメス同士の助け合いを中心とする極めて複雑な関係を築いていたことが新たに分かりました。

イギリス・ブリストル大学の生物学者であるゾーイ・ミュラー氏とスティーブン・ハリス氏の研究チームは、キリンの群れを調査対象にした404件の論文を横断的に調べる研究を実施しました。

その結果、キリンの個体同士のグループは、成熟したメス同士のグループであることが多く、中には6年以上も行動を共にした事例や、母親とその子どもなど15年以上にわたり関係を続けた事例があったことが分かりました。こうしたキリンのグループは、最大で3世代にわたる血縁関係で構成されることがあり、大人のメスが他の母キリンの子どもの面倒を見たり、ほかの個体の子どもの死を一緒に悲しんだりする様子が観察されたとのことです。

さらに、ミュラー氏らがキリンの年齢に焦点を当てて分析をしたところ、キリンのメスは繁殖ができなくなってからも10年以上にわたって群れに関与しつづけることが確かめられました。キリンの寿命は約30年であるため、キリンのメスは一生の約30%を閉経後の状態で過ごすことになります。これは、子育てを終えたメスの個体が複雑な社会で重要な役割を持っているゾウの23%やシャチの35%に匹敵する割合でした。

人間を含む一部の哺乳類では、子育てを終えたメスが次の世代の子育てを助ける様子が観察されており、これは「おばあさん仮説」として知られています。ミュラー氏らは、キリンのメスたちも母系社会の中で協力し合って子育てを行い、子孫の繁栄を助けているのではないかと考えています。


ヒトと同様、オスは社会的には役立たずのようです。

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