大腸菌を用いた遺伝子組換えプリオン蛋白からの病原性プリオンの産生

Generating a Prion with Bacterially Expressed Recombinant Prion Protein

以下は、論文の要約です。


プリオン仮説は、誤った折り畳み構造をもつプリオンタンパク(PrP)が、プリオン病が感染する原因物質であるとする。

研究者らは、大腸菌で発現させた遺伝子組換えPrPを用いて、病原性PrPの特徴をすべて示す組換えプリオンの作成に成功した。

病原性プリオンの特徴とは、凝集性、プロテアーゼ(タンパク分解酵素)抵抗性、自己増殖性の3つである。

組換えプリオンを正常マウスの脳に注入したところ、130日以内に特徴的な神経学的症状を示し、150日以内に病気の末期状態を示した。

これらのマウスを調べたところ、プリオン病に特徴的な神経病理学的所見を示した。すなわち、プロテアーゼ抵抗性PrPの存在、病気の伝搬性などを示し、これらのマウスがプリオン病に罹っていたことを確認した。

以上の結果は、PrPの構造変化によって哺乳動物のプリオン病が感染するというプリオン仮説を証明した。


残念ながら、神戸大学図書館の契約ではフルテキストを見ることはできませんが、これまでできなかった病原性をもつ遺伝子組換えプリオンの作成に成功したという画期的な報告のようです。

下は、この論文を紹介する朝日の記事です。なぜこんなわけのわからない(真逆の)タイトルになるのでしょうか?

狂牛病の原因はプリオンではない? 科学者が証明

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