クロピドグレル(プラビックス®)とプラスグレル(エフィエント®)とチカグレロル(ブリリンタ®)

急性冠症候群の抗血小板薬にはチカグレロル、それともプラスグレル?
自分へのメモです。以下は抜粋です。


クロピドグレル(プラビックス®)の薬効標的P2Y12 ADP受容体がクローニングされた後に、日本のプラスグレル(エフィエント®)と欧米のチカグレロル(ブリリンタ®)の開発が成功した。

認可・承認後、競合品をhead-to-headで比較(直接比較)する試験はなかなか計画されない。今回は急性冠症候群を対象として、チカグレロルとプラスグレルの有効性・安全性がスウェーデンにて直接比較された。

本試験の結果では、1万7,000例以上の大規模ランダム化比較試験にて、両者には有効性・安全性において差異がなかった。本試験で使用されているプラスグレルは10mgが基本であり、3.75mgを基本とする日本の用量とは異なることに注意が必要である。

チカグレロルの第III相試験PLATO試験とプラスグレルのTRITON-TIMI 38試験を間接的に比較するとチカグレロルのほうが優れているようなイメージ戦略を、営業戦略として持てるのかもしれない。しかし、営業イメージをつくることはできても科学的議論は難しい。

現在の薬剤の認可・承認機能はしっかりと機能している。抗血小板薬であれば血栓イベントリスクが明確に減少し、試験における統計学的有意差の有無にかかわらず、出血が著しく増加しない薬剤が認可されている。結局、両者を比較してみると差はなかったというのが、今回のNEJMの論文の示した結論だと思う。


以下は、「何が一番良い薬ですか?」という質問に対する廉価版Geminiの答えです。エビデンスは付いていません。ちなみに、3つの薬剤のうち、プラスグレル(エフィエント®)だけが日本で開発された「日本製(国産)、第一三共」の薬です。また、クロピドグレルはアスピリンよりも脳梗塞や心筋梗塞の発症を約9%有意に減らしたという有名なエビデンスがあります。


結論から申し上げますと、すべての患者さんにとって「これが一番良い」と言える絶対的な薬は存在しません。3つの薬にはそれぞれ異なる強みと弱みがあるため、「患者さんがどのような病気にかかっているか」「出血しやすい状態か」「年齢や体重はどうか」といった条件によって、最も適した「一番良い薬」が一人ひとり選ばれます。最新の医学的なガイドラインやエビデンスに基づくと、一般的な使い分けの基準は以下のようになります。

1. 急性心筋梗塞などでカテーテル治療(PCI)を行う場合
• 一般的には「プラスグレル」や「チカグレロル」が優れています。
• 理由:血栓を予防する効果が非常に強く、心筋梗塞の再発やステントという金属の筒が詰まるリスクを確実に減らせるという強力なデータがあるためです。

2. 出血のリスクが高い、または高齢の患者さんの場合
• 「クロピドグレル」が一番良い選択肢になることが多いです。
• 理由:プラスグレルやチカグレロルは効果が強い反面、胃出血や脳出血などの重い出血を起こすリスクが高くなります。高齢の方や出血のリスクが高い方には、安全性を最優先してクロピドグレルが選ばれます。ただし、代謝酵素(CYP2C19)の働きが弱い場合は効果が低いので注意が必要です(日本人の5人に1人はほぼ薬の効果がない!)。

3. 過去に脳梗塞を起こしたことがある場合
• 「クロピドグレル」が選ばれます。
• 理由:プラスグレルは、過去に脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)を起こしたことがある患者さんに対しては、脳出血のリスクが跳ね上がるため禁忌(絶対に使ってはいけない)とされています。また、チカグレロルも脳梗塞の予防としては一般的な選択肢ではありません。

4. 薬の飲み忘れが心配な場合
• 「クロピドグレル」や「プラスグレル」が適しています。
• 理由:これらは1日1回の服用で済みます。チカグレロルは1日2回飲む必要があるため、飲み忘れが多い方には不向きです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました