以下は、記事の抜粋です。
猫の水の飲み方を解明した米科学者チームの研究が11月11日、サイエンスの電子版で発表された。
舌をひしゃくのように丸めてすくい上げる犬や吸い上げる馬と違い、水面に触れた舌先を引っ込め水を引き寄せる巧妙な方法だった。だれもが目にするこの猫のしぐさが、これまで科学的に解明されていなかった。チームは「猫の朝食からも科学は生まれる」と話している。
猫が水を飲む様子をハイスピードカメラで撮影したところ、真下に伸ばした舌の先を後ろに曲げ、丸まった舌先の表面で水面に触れていることがわかった。
舌を戻すと、舌先にくっついた水がその勢いで水面から離れて上昇し、水柱ができる。猫はこの水柱が重力で崩れるまでのわずかな時間にパクッと口を閉じ、水柱の上部をかみ切っていた。そのペースは1秒間に約4回。数学的な計算でも、これが最適なペースだったという。
元論文のタイトルは、”How Cats Lap: Water Uptake by Felis catus”です(論文をみる)。
私はイヌもネコも飼ったことがあります。イヌは長い舌を水の中に入れて水をすくい上げる。それに対してネコは、少し短い舌でピチャピチャと水を飲んでいて、なんとなく違うことは知っていましたが、そのメカニズムまで考えたことはありませんでした。
上記の説明のように、ネコは流体の慣性力を利用することで、重力に逆らって液体を吸い込むことがわかりました。考えてみればヒトの口も良くできていて、キスをするような形にすればネコよりも効率よく水を吸い込むことができます。水を飲むという行動も遺伝学的に進化して多様化したことを実感しました。
論文のfull textは読んでいませんが、同じ発見を日本から報告してもサイエンスに掲載されるのは難しいと感じました。偏見でしょうか?
研究者らによって撮影された高速イメージング
ネコの舌の動きを再現するための実験装置
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