以下は、記事の抜粋です。
スペインの1億3000万年前の白亜紀の地層から、ラクダのようなこぶをもつ肉食恐竜の化石が発掘され、保存状態の良好な体長約6メートルの恐竜のほぼ完全な骨格が発見された。背中にほかの脊椎骨より40センチほど盛り上がった2カ所の突起があったことから、“クエンカのこぶのあるハンター”を意味する「コンカベナトール・コルコバトゥス(Concavenator corcovatus)」という学名が与えられた。
研究を率いた古生物学者フランシスコ・オルテガ氏によれば、C・コルコバトゥスのこぶはラクダと同様に、肉厚な体組織に脂肪を蓄えることに役立っていた可能性があるという。あるいは、異性を惹き付ける、敵を脅すといったディスプレーの役割を担っていた可能性や、熱を発散し体温を調節する役割だった可能性もある。
C・コルコバトゥスの特異性は、こぶに加えて前肢に羽毛がついていた証拠といわれる突起があったことだ。鳥類の一部は、大きな羽の基部を同じ構造で支えている。
非鳥類型の恐竜の場合、羽のような構造はディスプレーや体温調節、またはおそらく短い距離を滑空することによって敵を素早く襲うためのものであった可能性が高いという。
元記事のタイトルは、”A bizarre, humped Carcharodontosauria (Theropoda) from the Lower Cretaceous of Spain”です(論文をみる)。
「鳥類が恐竜から進化した」という仮説を裏付ける証拠がまた一つ発見されたと理解しました。前肢に羽毛がついていた証拠という尺骨の突起の写真には説得力があります。現存するヒメコンドルの羽毛がつくための突起と大変良く似ています。
縄文時代の始まりが1万年前だとすると、この恐竜が地球にいた1億3000万年前というのは、当たり前のことかも知れませんが、縄文から現在までの1万3000倍も昔です。私の時間の感覚をはるかに超えていて、いつも実感がもてません。
関連記事に書きましたが、ジュラシック・パークというSF小説の中で、マイケル・クライトンは、ジュラ紀がどのくらい昔かを、地球の誕生から現在までの46億年を24時間に短縮し、上手に説明しています。
今から1日前に地球が誕生したとすると、35億年前の生命の誕生は19時間50分前、15億年前の真核生物の出現は7時間50分前、C・コルコバトゥスのいたジュラ紀は10分前、60万年前のホモ・サピエンスの出現は11.3秒前です。
ホモ・サピエンスは、2.8秒前にアフリカを出て、世界に進出しました。0.19秒前に氷河期が終わり、農業革命がおこりました。キリストが生まれたのは、0.038秒前です。ホモ・サピエンスの一生は、約0.0015秒です。ジュラ紀の10分前というのが、すごく昔であることがよくわかります。
変な結論ですが、1.5ミリ秒を楽しく生きたいと思います。
C・コルコバトゥスの想像図。前肢の羽毛が重要。(National Geographic Newsより)
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