腰痛へのMRI

腰痛へのMRI
自分へのメモですが、重いものを持った後の腰痛にMRI検査を行うという非常にありそうな話です。


問題

38歳男性。2週間続く持続的な腰痛を主訴に来院した。仕事で重い荷物を持ち上げた際、腰に痛みを感じた。腰痛は鈍痛で、放散痛はない。腰痛は動作により悪化し、ロキソプロフェンにより部分的な緩和が得られている。発熱や体重減少、下肢の筋力低下、感覚異常、排便・排尿の変化はない。既往歴は2型糖尿病であり、メトホルミンを内服中である。

バイタルサインは正常である。腰痛のため、腰椎の前屈可動域は制限されている。脊柱傍筋の圧痛が認められるものの、椎体や仙腸関節の圧痛はない。両側のSLR(Straight Leg Raising)試験は陰性である。下肢の筋力および感覚検査は正常である。

腰椎MRI検査をオーダーした。


解答・解説

非特異的な急性腰痛の患者に追加の検査は不要である。急性非特異的腰痛とは、4週間未満の持続期間で、特定の原因が特定できない腰痛と定義される。

画像検査は、発熱、体重減少、重度または進行性の神経学的異常所見、4~6週間の保存的治療後も改善が見られない、悪性腫瘍の既往歴、脊髄圧迫、馬尾症候群が疑われる患者に限定すべきである。

大規模システマティックレビューでは、無症状者における椎間板変性の有病率は20歳で37%であったが、80歳では96%に上昇していた。また、椎間板膨隆は20歳で30%であったが、80歳では84%に上昇したことが示されている(Brinjikji W, et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36:811-816)。

そのため、画像検査は有益でない高コストな介入を招くだけでなく、患者の不安を増大させる恐れがある。この症例における腰椎MRI検査のオーダーは不適切であり、代わりに患者教育、活動継続の推奨、NSAIDsや筋弛緩薬などの対症療法が第1選択となる。


MRIをすれば無症状でも椎間板の異常が見つかることがあるので、MRIで椎間板の異常が見つかっても腰痛の原因とは特定できない、ということだと思います。「念のため」にやらないようにしましょう。

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