元医学部長の「アカハラ」認定 神戸大に賠償命令 神戸地裁

元医学部長の「アカハラ」認定 神戸大に賠償命令 神戸地裁
以下は、神戸新聞記事の抜粋です。


神戸大元医学部長(65)から地位を利用した嫌がらせ「アカデミック・ハラスメント」を受けたとして、医学研究科元准教授の男性(58)が、神戸大と元医学部長に計2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6月28日、神戸地裁であった。小西義博裁判長はアカハラを認め、神戸大と元医学部長に計275万円を支払うよう命じた。

判決によると、元医学部長は2008年4月に就任。当時、元准教授が科長を務める血液内科を腫瘍内科と統合・再編する計画が進んでおり、元医学部長は元准教授に「自分で身を引けへんかったら処分する」「進退を一任しないなら、研究も診療も一切できないようにする」などと再三退職を強要。元准教授が拒否すると「助教授のくせに」「アホ」「エゴイスト」などと非難した。

小西裁判長は「長時間、侮蔑的・脅迫的な表現で退職を迫っており、不法行為に当たる」と認定。さらに、診療や研究ができない地位に追いやったことや、厳重注意処分としたことも「制裁や嫌がらせを目的にしたもので、原告が受けた精神的苦痛・不利益は大きい」と指摘した。
神戸大は「判決が届いていないのでコメントできない」としている。


以下は、m3.comに掲載された共同通信バージョンの抜粋です。元の記事を探しましたが、ネットでは他に見つかりませんでした。


神戸大と元教授に賠償命令 准教授にハラスメント
神戸大大学院医学研究科の准教授だった男性が、当時の教授(現・特命教授)から不当に退職を迫られた上、研究や診療を制限されたなどとして1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁は28日、ハラスメントを認めて神戸大は220万円を、教授は55万円をそれぞれ支払うよう命じた。

判決理由で小西裁判長は、教授は男性に脅迫や侮辱的な表現で退職を強要し、応じないことへの制裁や嫌がらせとして診療や研究を制限したと認定。教授の職務上の行為とみなし、神戸大にも賠償を命じた。

男性が弟子を虐待したなどとする教授の発言も名誉毀損と判断した。判決によると、男性は2007年4月に准教授着任。08年1月以降、教授から執拗に退職を迫られ、断ると組織再編に合わせて配置異動させられるなどした。男性は10年1月に解任された。

神戸大は「判決内容を見た上で今後の対応を決めたい」としている。


微妙に内容が異なります。以下は、産経新聞バージョンの抜粋です。


「アカハラ」認め275万円賠償命令 地裁判決 兵庫
神大など「裁量権逸脱」

神戸大学大学院医学研究科の元准教授の男性が、同科の科長だった元教授の男性からアカデミックハラスメントを受けたとして、大学と元教授に対し各1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁であった。小西裁判長は「退職に応じないための制裁などとして研究を制限する決定を大学としてしており、裁量権の逸脱、乱用に当たる」と大学に220万円、元教授に55万円の支払いを命じた。

判決によると、元准教授は平成20年1月から元教授から退職を強要され続けたが拒否。元教授は21年1月以降、元准教授の患者を制限するなどし、研究や診療の機会が減らしていた。元准教授は23年7月、同科教授会の決定で再任用されず、任期が終了した。


神戸新聞は、「元医学部長(65)」と人物が特定できる表現を用いていますが、共同通信バージョンは、年齢なしで「当時の教授(現・特命教授)」と特定できない表現です。また、産経新聞バージョンも「元研究科長」と書かずに、「同科の科長だった元教授の男性」とこれも年齢なしで書いており、誤解を招きやすい表現です。

共同通信バージョンは誤りが多いために削除されたのかもしれません。「23年7月、同科教授会の決定で再任用されず、任期が終了した」という産経の表現が正しく、「10年1月に解任された」のは誤りです。これ以外の記載は、ほぼ事実でしょう。ハラスメント時の詳細なメモや録音がすべて証拠として採用されたのだと思います。

一審(地裁)の判決までの時間は長くかかりましたが、このような民事訴訟では、二審(高裁)判決は比較的速く出るそうなので、早ければ今年中、遅くても来年中に判決が確定する可能性があります。

コメント

  1. 悠羽司恩 より:

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    田中千代学園(田中千代ファッションカレッジ・東京田中千代服飾専門学校・たなちよ)との裁判時はここまで証拠が充実せず、思うような結果が出なかったのは残念。
    このかたは良くやったと思う。
    田中千代学園は裁判前後に確認した労働組合のブログに天下り官僚に乗っ取られているとあってなるほどと感じた。
    http://blog.livedoor.jp/tc_union/

  2. もうすぐいちにちがおわり より:

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    実名が新聞に出る場合と出ない場合の区別がわからないです。新聞各社の裁量なんでしょうね。いいかげんだな。個人がネットで、ましてや民事で実名を公表すると、名誉毀損でやられるかもだから気をつけないといけないけれど、新聞社はたいてい平気なんでしょうね。
    Wikipediaの「実名報道」というエントリーには、「日本において、主要報道機関は実名報道を原則としている。ただし、以下の場合などでは匿名で報道されることが多い。」とあって、
    i) 何らかの不祥事を犯し、懲戒免職などの処分を受けた公務員の場合(主に省庁側が匿名で公表される場合。刑事告訴されない限り実名がほとんど報道されない)
    i) 教員の場合、務めていた学校名まで伏せられ、「○○県○○市立小・中学校」「○○県立高校」までしか報道されず、具体的な校名まで特定できない。
    とあります。国立大学法人の場合は、どちらにも転ぶということかな。
    まだこれから裁判は続くわけですね。すると大学はもっともっとお金をつかって、最後はやっぱり負けるのでしょうか。そのお金はどこから支払われるのでしょう。国立大学法人。

  3. tak より:

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    >もうすぐいちにちがおわりさん
    コメントありがとうございました。神戸大学医学部(医学研究科)という実名が出て、65歳の元医学部長(元研究科長)という個人については実名が出ず、原告は損害賠償を両方に1000万円ずつ請求したけれども、判決では神戸大学は220万円で元医学部長は55万円でした。つまり、神戸大学の方が元医学部長よりも悪かった、という結論を神戸地裁の裁判長は出しました。私は逆の印象を持っていたので、このお金額の違いにはちょっと驚きました。結局、侮辱と脅迫を繰り返した元医学部長よりも、彼の暴走を許した我々が悪かったということなのでしょう。

  4. もう昨日は終わってしまった より:

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    配分も含めて、このはんぱな賠償額については、もとより疑問ありまくりですが、質問してもしかたない部分だろうなと諦めてました。判決にはこの算定方法が書かれているのでしょうか。その方程式がしりたいです。裁判長の直感でもないでしょうし。どういうファクターに、どんな係数がかかって、賠償の重さになるのか・・。

  5. 元町 より:

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    この件のその後についてご存知でしょうか?通常、このような判決結果が出て確定判決となったら通常思い処分が下されると思いますが、この教授は定年後も特命教授として残っています。

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