フラーレンに凄い美容効果はないし「配合」化粧品にも0.0003%以下しか含まれていない

「フラーレン商法」に辟易。。

以下は、記事の抜粋です。


皆さん、「フラーレン」 って知ってますか?世間では「ビタミンCの何百倍の抗酸化力!」とか「ノーベル賞受賞成分!」とか言ってもてはやされていますが、 実際に一体どういう物質で、どういう効果があるのかとか深くご存知の方はあまりおられないのではないでしょうか。

「フラーレン」という物質は 『炭素』という原子が60個、六角形と五角形を作りながらつながっています。このような形から「サッカーボール」に例えられます。もちろん炭素の塊ですから『黒炭』や『ダイヤモンド』と同じく安定した固体物質です。

フラーレンの特異的な性質とは、炭素間の二重結合が様々な化学反応を柔軟に引き起こすという点です。その中で最も一般的なのが『酸化還元反応』で、 周囲の酸化活性物質などと優先的に反応すると言われています。これが「活性酸素除去作用」などと言われる理由です。

「ビタミンCの400倍の抗酸化力」だとか言われてますけど、 実際のところはどうなんだ?という話ですが…。 ぶっちゃけて言えば、 フラーレンにそんなに凄い美容効果はありません。 ビタミンCの抗酸化作用は『還元性』という性質によるもので、これは非常に強力で、1%も入れると肌に刺激を生じます。 そんなものの400倍?あったとしたら超刺激物でしょう。苦笑

世界的にはフラーレンの化粧品的な応用はかなり絶望視されています。というのも様々な反応を媒介してしまうということから、生体にプラスの反応だけでなくマイナスに働く反応も引き起こしてしまうからです。『紫外線にさらされると逆に周囲の物質を酸化してしまう』という研究報告や吸入ばく露で肺に炎症を起こしたりという報告、フラーレンが存在した方が細胞への酸化ストレスが増えるなどの研究もあり、今のところ安定した「抗酸化成分」とは言えない状況です。だから大きな化粧品会社は配合を控えて様子を見ているんです。

そういうわけですから 実際の化粧品には「フラーレン」ってそんなに入れられません(^_^;) フラーレンそのものの濃度は0.0003%以下とかになります。そもそも生理活性作用があるわけでもないフラーレンがこんな少量しか入っていないのに、 それでも世に言われているような「凄い美容効果」とかあると思いますか?(-_-;)


ナノテクノロジーの研究会に参加した時に、フラーレンを発見した3人の科学者にノーベル化学賞が送られたことを知りました。そして、私の身近にいた女性を含めて多くの若い女性がフラーレンという言葉を知っていたのに驚きました。

彼女らによると、フラーレンには抗酸化作用に基づくアンチエイジング効果があり、そのために化粧品成分として有名ということでした。確かに、ネットを調べると、そういう記事が溢れていますが、説明も良くわからないし、科学的な根拠が書かれているものは1つもありません。

その中で、唯一科学的根拠(引用論文)を示した記事が、このかずのすけ氏のものでした。説明も上のように比較的良くわかるように書かれていたので、抜粋して紹介しました。

1つだけ、フラーレンの発見により、ハロルド・クロトー氏らがノーベル化学賞を受賞したのは1985年ではなく、1996年です。記事の記載は誤りです。もちろん、ノーベル賞の内容についての記載は誤りではありません。

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