ニラと間違えスイセン食べた男性死亡…ガランタミンの毒性による?

誤食 ニラと間違えスイセン食べた男性死亡 北海道
以下は、記事の抜粋です。


北海道の室蘭保健所は5月31日、60代男性がスイセンをニラと間違って食べたと見られる食中毒症状で死亡したと発表した。

保健所によると、男性は29日、自宅敷地内に生えていたニラに似ている植物を採取して調理し、食べた。その後、吐いたり下痢をしたりする食中毒症状となり、医療機関に運ばれたが31日に死亡した。

道立衛生研究所で調べたところ、男性が食べた植物から有毒成分のガランタミンが検出されたことなどから、同保健所はスイセンとニラを間違えたことによる食中毒と判断した。


ガランタミンは、アルツハイマー型認知症の治療に用いるレミニール®などの主成分です。ガランタミンは、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きを妨害し、脳内のアセチルコリンを増やすことで、認知症の症状を改善するとされています。この作用機序は、アリセプト®(ドネペジル)などと同じです。

厚労省のホームページによると、スイセン類による中毒は2006年から2012年まで毎年発生しており、2007年には3件37人も患者が出ています。発症者は多いですが、幸い、全員軽症だったようです。この中には、道の駅直売所でニラとして販売されていたスイセンを食べた患者も含まれています。。ニラには強烈な臭いがあるので、臭いで区別できるとは書かれていますが、そうでもないのでしょうか?

スイセン類は全草が有毒で、鱗茎(下の写真、黒いタマネギのような部分)に特に毒成分が多いそうです。今回の60代男性が死亡したということは、ニラと間違えて致死量の10g以上のスイセンを食べたということになります。あるいは、記事には書かれていませんが、心疾患などの既往があった可能性もあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました