糖尿病、高血圧、喫煙などの高心血管リスク因子を持つ40-75歳の成人に対する予防的スタチン投与

スタチンの予防的投与に勧告案【米国家庭医学会】予防的投与の利益が最も出る層を明確化
以下は、記事の抜粋です。


米国家庭医学会(AAFP)は12月21日、心血管疾患(CVD)リスクの高い成人への予防的スタチン投与に関する米国予防医学作業部会(USPSTF)が作成した勧告声明草案を紹介した。

今回の草案は、2008年に発表された成人の脂質異常症スクリーニングに関する勧告の改訂版。CVDのない成人においてスタチン投与群とプラセボ群(またはスタチン不使用)を比較した無作為化対照試験18件を精査。CVDの10年イベントリスクをACC/AHAのリスク計算式pooled cohort equationを用いて計算した。

その結果、スタチンの予防的投与で最も利益を得るのは、CVDのリスク因子を1つ持ち、10年イベントリスクが10%以上の40-75歳と判明。この結果から今回の草案では、脂質異常、糖尿病、高血圧、喫煙などのCVDリスクを高める因子を持ち、10年イベントリスクが10%以上の40-75歳の成人に対して、CVD予防のためのスタチン投与を推奨している(勧告グレードB)。

一方、40-75歳でリスク因子を1つ持つものの、10年イベントリスクが7.5-10%の者については、スタチンの予防的投与で利益を得る可能性が低い(勧告グレードC)と明記。76歳以上で心発作や脳卒中の既往のない者は、現行のエビデンスが不十分と結論づけている(勧告グレードI)。


米国糖尿病学会(ADA)は、関連記事に書いたように、約1年前に。「LDL値に基づかず全糖尿病患者にスタチン推奨する」と発表しました。今回は、推奨する対象をもう少し明確化したということのようです。

今回の勧告案では、糖尿病だけでなく高血圧や喫煙にまでスタチンの予防的投与の対象が広がっています。保険適用の可否も含めて、日本でどのように議論されるかに注目したいと思います。

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