新しいC型肝炎の特効薬ハーボニー®は1日1錠8万円、1ヶ月で240万円。でも患者の負担は1万円!

新しいC型肝炎の特効薬は1錠8万円、処方されたらあなたはすぐに「飲みます!」と言える?
以下は、記事の抜粋です。


昨年、C型肝炎の特効薬「ハーボニー(Harvoni)」は、1日1錠で9割以上の人が完治するという優れた薬だ。ところがこの薬、米国では1錠10万円以上、日本では8万円となる。米国で治療の現状調査が行われ、価格が原因で、思ったように治療が行えないという現状が明らかになった。

「ハーボニー(Harvoni)」は、「レディパスビル」と「ソホスブビル」という2つの成分を配合した錠剤だ。HCVが増殖するために必要な酵素を邪魔する薬となっている。

研究グループは、2014年の10月から12月までにハーボニーを処方されたC型肝炎の129人の医療記録を基に、治療の現状調査を行った。ハーボニーを最初に処方された人の4人に1人は使用を断っていた。

処方されてすぐに同意する人に多い特徴の1つは、肝硬変など、既に症状が進行していた人。もう1つは、メディケアのような公的保険制度に加入している人だった。

C型肝炎の治療をめぐっては、日本でも経済面も含めて課題は共通している。日本では医療費の支払いが高額になった場合に還付を受けられる「高額療養費制度」がある。そうした制度の利用を啓発するといった対策は求められているのだろう。


元論文のタイトルは、”Drug Authorization for Sofosbuvir/Ledipasvir (Harvoni) for Chronic HCV Infection in a Real-World Cohort: A New Barrier in the HCV Care Cascade”です(論文をみる)。論文はアメリカの事情を紹介していますが、日本とアメリカの事情はかなり異なります。以下に日本の状況を紹介します。

ハーボニー配合錠は、日本人のC型肝炎患者の約7割を占める遺伝子型1型(1b型)の内服薬で、NS-5A阻害剤(レジパスビル)とNS-5B阻害薬(ソフォスビル)の合剤です。平成27年8月31日に薬価収載され、9月1日に発売されました。

この薬は、遺伝子型2型の治療薬・ソバルディ錠と同様、医療費助成の対象となります。この薬の価格は上の記事にも書かれているように、1日1錠8万171円30銭ですが、月額最大1万円(世帯の市町村民税課税年額 235,000円以上の場合は2万円)で治療を受けることができます。

ということは、月額240万円の薬代の99%以上が助成金によって支払われることになります。24年度の医療費の総額は39.2兆円で、財源の内訳は、公費(税金)が15兆1459億円(38%)、国民や企業が負担する保険料は19兆1203億円(49%)、患者の自己負担は4兆6619億円(12%)です。

毎年、医療費の総額と公費負担は増加し、患者の自己負担は減少しています。アメリカよりも患者の負担が軽くて良いように見えますが、国の財政が赤字なので、この状態がいつまでも続けられるとは思えません。日本もアメリカもそれぞれの難しい問題を抱えているようです。

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