認知症根治薬20年に…日本版NIHが達成目標?

認知症根治薬20年に…日本版NIHが達成目標
以下は、記事の抜粋です。


医療分野の研究開発の司令塔として米国立衛生研究所(NIH)を参考に、政府が設置する「日本版NIH」の総合戦略の原案が12月14日、明らかになった。

認知症を根本的に治す新薬の治験開始を2020年頃までに、抗がん剤の副作用予測の確立を20~30年頃までに実現するなどの達成目標を掲げた。
日本版NIHの意思決定機関となる健康・医療戦略推進本部(本部長・安倍首相)が来年1月に正式決定するのに向け、専門家らで作る調査会が今秋から検討してきた。大学などに資金を配分する中核の独立行政法人が来年度にも発足する。

達成目標では、iPS細胞を使った薬の臨床応用、医療機器の輸出額倍増(11年比)をともに20年頃までに行うとした。目標実現のため、(1)患者の膨大な情報「ビッグデータ」を薬の開発に生かす(2)基礎研究から実用化までに通じたリーダーを育てる――などを盛り込んだ。(2013年12月15日10時46分 読売新聞)


「認知症根治薬が2020年に使える」かのような見出しをみて、そんなはずはないと思い、原文をみてみました(原文をみる)。

以下は、27ページ前後にある「疾患に対応した研究」の達成目標です。


関係省庁の有機的連携のもと、病態の解明に係る基礎研究から実用化に向けた研究まで一体的に推進する

【2015 年度までの達成目標】

・がんについては、
新規抗がん剤の有望シーズを10種取得
早期診断バイオマーカー及び免疫治療予測マーカー5種取得
がんによる死亡率を20%減少(平成17年の75歳未満の年齢調整死亡率に比べて平成27年に20%減少させる)。

・精神・神経疾患については、
分子イメージングによる超早期認知症診断方法の確立
精神疾患の診断に関連するバイオマーカー候補の発見

・新興・再興感染症については、
グローバルな病原体・臨床情報の共有体制の確立を基にした病原体及びその遺伝情報の収集、並びに、生理学的、及び臨床的な病態の解明

・難病については、
薬事承認を目指した新たな治験導出件数5件以上の達成。

【2020年頃までの達成目標】

・がんについては、
5年以内に日本発の革新的ながん治療薬の創出に向けた10種類以上の治験への導出
小児がん、難治性がん、希少がん等に関して、未承認薬・適応外薬を含む治療薬の実用化に向けた5種類以上の治験への導出
いわゆるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消
高齢者のがんに対する標準治療の確立(ガイドラインの作成)

・精神・神経疾患については、
日本発の認知症、うつ病等の精神疾患の根本治療薬候補の治験開始
精神疾患の客観的診断法の確立
脳全体の神経回路の構造と活動に関するマップの完成

・新興・再興感染症については、
得られた病原体等を基にした新たな迅速診断法等の開発
網羅的病原体ゲノム解析法等の抜本的な検査手法やそれを応用した分子疫学的手法の確立

・難病については、
新規薬剤の薬事承認や既存薬剤の適応拡大を10件以上達成
欧米等のデータベースと連携した国際共同治験等の推進

【2030 年頃までの達成目標】

・新興・再興感染症については、
新たなワクチンの開発
(例:インフルエンザに対する万能ワクチン、マラリアワクチン等)
新たな抗菌薬・抗ウィルス薬等の開発
WHO、諸外国と連携したポリオ、麻疹等の感染症の根絶・排除の達
成(結核については2050 年までの達成目標)


「認知症を根本的に治す新薬の治験開始を2020年頃までに」という記事の文章から判断すると、見出しの部分に対応するのは、「日本発の認知症、うつ病等の精神疾患の根本治療薬候補の治験開始」だと思われます。「センセーショナリズム」そのものです。原案を作った方々も苦笑いされていることでしょう。

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