HeLa細胞のがん化は、子宮頸がんワクチンで予防できるHPV-18でおこっていたらしい

医学史上の無名のヒロイン、細胞株「ヘラ」の提供女性
以下は、記事の抜粋です。


62年前に科学者らにより採取されたあるアフリカ系米国人のがん細胞は、医学史上における画期的な研究の数々に貢献してきた──ただ、タバコ農家を営んでいた当の本人は、知ることも了承することもなかった。

細胞が採取されたのは、5人の子どもがいたHenrietta Lacksさん。進行性乳がんのため、米メリーランド州ボルティモアのジョンズ・ホプキンス病院で1951年に亡くなった。享年31歳だった。

この細胞は、Lacksさんの名前と苗字の頭文字を取って「HeLa」と名付けられた。亡くなる直前に採取された細胞は、遺族の知らないまま数十年にわたり、ポリオワクチンやクローン技術など、人間のものとしては最も多く研究に使われた細胞株となった。

しかし当時の米規制当局は、検体として採取した細胞を培養する際、患者の許可を得ることを医師に義務付けていなかった。当局は8月7日、Lacksさんの細胞の遺伝データを引き続き、管理の下に行っていくことで遺族側と改めて合意したことを明らかにした。同時にラックスさん自身のゲノム配列もNature誌に発表された。

今年3月、欧州分子生物学研究所のチームは、Lacksさんの細胞株の全ゲノム情報を発表した。データはアルコール依存症やアルツハイマー病などの遺伝的傾向を示唆するものとされ、生命保険への加盟や障害補償の申請却下などに用いられる可能性もあり、遺族の抗議を受けて数日以内に公開データは削除された。

以降、Lacksさんの遺族と米国立衛生研究所(NIH)の間で話し合いが持たれ、7日の発表に至ることとなった。二者間の合意条件では「HeLa」のゲノム情報を研究に使用する場合には、NIHへの申請を必要とする他、ラックス家の2人を含む委員会が定めた規定に同意することなどが定められた。


Nature論文のタイトルは、”The haplotype-resolved genome and epigenome of the aneuploid HeLa cancer cell line”です(論文をみる)。

HeLa細胞は子宮頸がん細胞由来だと理解していたので、Lacksさんが進行性乳がんで31歳で亡くなったと知って驚きました。

また、ゲノム解析によって、がん原遺伝子MYCの約500キロベース上流にヒトパピローマウイルス18型(HPV-18)ゲノムの挿入が起こっていることがわかりました。これにより、MYCが特異的に活性化されて、子宮粘膜細胞ががん化したのではないかと考えられます。

日本では非常に評判が子宮頸がんワクチン悪いですが、HPV-18ならサーバリックスでもガーダシルでも予防できるはずなので、もしも、Lacksさんが子宮頸がんワクチンを受けていたら、HeLa細胞は存在しなかったかもしれません。

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