ビフィズス菌腸溶性シームレスカプセルを利用した経口ワクチン

森下仁丹と神戸大学、カプセルを利用した経口ワクチン特許取得発表
以下は、記事の抜粋です。


森下仁丹は2月20日、神戸大学の白川利朗准教授と開発してきた、腸溶性シームレスカプセル化技術を応用した経口ワクチンの技術に関して、特許を取得したと発表した。(特許第5187642号「経口ワクチン」)

この技術は、ビフィズス菌などの安全な菌が感染症性細菌特有のタンパク質(フラジェリン)を発現し、これを抗原として投与して抗体を体内で作らせワクチンとして機能させるもので、ビフィズス菌や産生される抗原タンパク質は胃酸に弱く、同社独自技術の耐酸性シームレスカプセルに包み腸まで届けることで、その機能が発揮されるという。

中央、南アジア、アフリカなどでは、腸チフスや赤痢、コレラ等の感染症の発生頻度が高く、特に子供の犠牲が多いことから、訪問者には感染予防の為のワクチン注射が行われているが、注射よりも容易で効果的な投与方法の開発が望まれているという。このような背景から、本共同研究は、腸チフス、コレラ、赤痢などの細菌感染性疾患に対して、経口投与が可能なワクチンの提供を目的とし、当社独自のカプセル技術を有効に利用した方法を研究してきたものだとしている。

ただし、経口タイプのワクチンの臨床試験はこれからで、新薬として実用化されるのは、まだ先のこととなるという。


ビフィズス菌を用いた経口ワクチンを探してみたら、以下のようなものがありました。2006年と2010年の論文は白川先生のグループですので、世界をリードしておられるようです。

ところで、こういうワクチンの臨床試験をやる場合は、遺伝子組換えビフィズス菌の第一種使用になるのでしょうか?いずれにしても、興味深い研究だと思います。

Construction of Bifidobacterium infantis as a live oral vaccine that expresses antigens of the major fimbrial subunit (CfaB) and the B subunit of heat-labile enterotoxin (LTB) from enterotoxigenic Escherichia coli. Microbiology, Feb 2012; 158: 498 – 504.(Pubmedをみる

Genetically modified Bifidobacterium displaying Salmonella-antigen protects mice from lethal challenge of Salmonella Typhimurium in a murine typhoid fever model. Vaccine, Sep 2010; 28(41): 6684-91.(Pubmedをみる

Genetically engineered Bifidobacterium animalis expressing the Salmonella flagellin gene for the mucosal immunization in a mouse model. J Gene Med, Nov 2006; 8(11): 1341-6.

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