非弁膜症性心房細動におけるリバロキサバンと ワルファリンの比較

Rivaroxaban versus Warfarin in Nonvalvular Atrial Fibrillation
以下は、論文要約の抜粋です。


背景:心房細動患者にワルファリンを用いると虚血性脳卒中の発症率を低下させるが、頻回のモニタリングと用量調節が必要である。経口第Xa因子阻害薬リバロキサバン(rivaroxaban)は、ワルファリンよりも安定で予測可能な抗凝固作用をもたらす可能性がある。
方法:二重盲検試験で、脳卒中リスクの高い非弁膜症性心房細動患者14,264例を、リバロキサバン(20mg/日)群とワルファリン用量調節群にランダムに割り付けた。主要エンドポイントとした脳卒中、全身性塞栓症についてリバロキサバンがワルファリンに対して非劣性であるかを検討することを目的として、“per-protocol, as-treated”での主要解析をデザインした。

結果:主要解析では、主要エンドポイントはリバロキサバン群では188例(1.7%/年)、ワルファリン群では241例(2.2%/年)発生した。intention-to-treat解析では、主要エンドポイントはリバロキサバン群では269例(2.1%/年)、ワルファリン群では306例(2.4%/年)発生した。重大および臨床的に重要な出血は、リバロキサバン群では1,475例(14.9%/年)、ワルファリン群では1,449 例(14.5%/年)発生した。頭蓋内出血(0.5% 対 0.7%)と致死的出血(0.2% 対 0.5%)はリバロキサバン群において有意に少なかった。
結論:心房細動患者において、リバロキサバンは、脳卒中あるいは全身性塞栓症の予防について、ワルファリンに対し非劣性であった。重大な出血のリスクに有意な差は認められなかったが、頭蓋内出血と致死的出血の発生頻度はリバロキサバン群のほうが低かった。


この臨床試験は、the Rivaroxaban Once Daily Oral Direct Factor Xa Inhibition Compared with Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillationを略して”ROCKET AF“とよばれています。

この”ROCKET AF”のデータに基づいて、アメリカFDAの心血管・腎臓用薬諮問委員会は9月8日、リバロキサバン(Xarelto®)を「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制」の適応で、承認勧告しました。ただし、第1選択薬でなく、適応は他の抗凝固薬での治療に難渋した場合に限られる見通しです。

先日も関連記事で、ダビガトラン(経口直接トロンビン阻害薬、プラザキサ®)の利点と欠点について書いたばかりです。今、非常にホットな話題のようです。リバロキサバンの場合は、半減期や腎排泄の問題はクリアしていますが、「副作用発現時において対応する拮抗薬がないこと」はダビガトランと同じです。

ただ、ワルファリン治療において、INR (international normalized ratio) を2.0-3.0の範囲内にコントロールできる患者が60%前後であることを考えると、近い将来、かなりの患者が直接トロンビン阻害薬やXa阻害薬で治療されるようになると思われます。

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