55歳以上の人はすべてスタチンを服用すべきだ?

All over 55s should take statins, recommends Professor

以下は、記事の抜粋です。


メアリー女王ロンドン大学のSir Nicholas Wald教授は、一定の年齢を越えれば、血清コレステロール値や血圧に関係なく、心臓発作や脳梗塞を防ぐためにスタチンを飲むべきだという。

今の医学システムでは、検査をして心臓病や脳梗塞のリスクが高いと認められた人に対してだけスタチンは処方される。しかしWald氏は、そのようなリスク因子に基づくよりも年齢だけに基づく方が心臓病を減らすことができるという。彼は、一定の年齢を越えると、コレステロールあるいは血圧を下げることで、ほとんど全ての人にベネフィットがあるのだから、スタチンを飲む必要のない患者などいないはずだというのだ。

現在の制度では、40歳を越えると心血管リスクを調べるための検査を受ける。その結果、リスクが20%以上と判定された人がスタチンを処方される。しかし、Wald氏は統計的計算を根拠に、そのようなリスク因子よりも年齢が重要であるという。

彼の計算によると、55歳以上のすべての人にスタチンを処方することで、心血管リスクを持った患者を84%正確に治療できるそうだ。彼は、「本研究によって、将来の心血管疾患を年齢だけでスクリーニングすることは、リスク因子に基づくよりも簡単かつ低コストで同等の成果をあげられることが明らかになった。予防は測定よりも優れている。」と主張する。

しかし、これまで心血管系の問題を指摘されたことがない人々は、スタチンを服用することによる副作用を心配して敬遠するかもしれない。また、薬を飲んでいるから安心だと思い込んで食事や運動について気をつけなくなることも危惧されている。本研究は、PLoS ONEに掲載された。


元論文のタイトルは、”Screening for Future Cardiovascular Disease Using Age Alone Compared with Multiple Risk Factors and Age”です(論文をみる)。

私もコレステロールが高くメバロチン®(プラバスタチン)を飲んでいるのですが、副作用も少なく安価な良い薬だと思います。私の周辺でも55歳以上の人の多くはコレステロールが高い人か、コレステロールが高くなくても十分動脈硬化は来ていそうな人ばかりです。Sir Nicholas Wald教授の説は正しいような気がします。

いきなりスタチンを飲むのが怖ければ、まず一般的な生化学検査をやり、コレステロール値以外に大きな異常がないことを確認してからスタチンを飲みはじめ、半年に1回ぐらいは同様の検査をしてフォローアップするのが良いでしょう。

プラバスタチン5mg錠の薬価は、先発品のメバロチンで59.3円、ジェネリックなら20円以下ですので、これで冠動脈疾患や脳梗塞がかなり予防できるとすれば悪い投資ではないと思います。55歳全員スタチン投与の臨床試験の結果が楽しみです。

プラバスタチンのジェネリック。1錠15.6円です(ニプロより)。

コメント

  1. やまんば より:

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    PASS:
    6年ほど前にLDL/HDL比が4倍ほどもあり医師からスタチンを進められましたが、副作用がいやで、動物性脂肪ゼロ、揚げ物を食べない等食事で改善症とずっと頑張りました。
    しかし、どんなに食事を改善し、気をつけても効果はありませんでした。最近ブログで食事を改善はコレステロール血しょうには効果がないと言う記事を読み、5年間のロスが悔やまれましたが、
    先月よりストロングスタチンのクレストールを始めました。
     

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