太陽光でコロナ不活性化、米政府が詳細公表

太陽光でコロナ不活性化、米政府が詳細公表
以下は、記事の抜粋です。


米国土安全保障省は4月28日、新型コロナウイルスが太陽光によって急速に不活性化するとした研究結果の一部を公表した。実験では自然の太陽光を正確に再現したとしている。

米ホワイトハウスが先週発表した研究結果の概要には大きな期待が寄せられた一方、一部の専門家からは、より包括的な報告が公表されるまで慎重になるべきだとの声も上がっていた。

国土安全保障省のWilliam Bryan氏は先週の記者会見で、無孔質の表面にあるウイルスの量は、温度21~24度および湿度80%で太陽光があると、わずか2分で半減すると説明。空気中に漂うウイルスの量についても、通常の室温・湿度20%の環境に太陽光が当たると、わずか1分半で半減すると述べた。

この発表は、専門家らを驚かせた。米コロンビア大学の放射線研究センター所長のDavid Brenner氏が語ったところによると、太陽光に含まれる紫外線の多くは紫外線A波(UVA)に分類され、UVAは日焼けや肌の老化の原因となるが、ウイルスに有害であるとは一般的に証明されていない。

一方で紫外線の一つであるC波(UVC)は、動物細胞やウイルスの遺伝物質を傷つける性質が特に強く、殺菌ライトにも広く使用されている。しかし、大気に吸収されるため、地上に到達する太陽光内には存在しない。

今回の研究の指揮を執った国土安全保障省のLloyd Hough氏は、研究で使用した紫外線ライトの種類について「自然の太陽光に近いものに設定した」と説明。具体的には、北緯40度や大西洋中央部などの中緯度地域において、立夏の正午ごろに海抜ゼロ地点でみられる太陽光を想定したという。また国土安全保障省の報道官によると、ステンレス鋼の表面上に付着した疑似唾液の飛沫でも実験が行われた。


皮膚科学会のサイトに書かれているように、UVC(波長280nm未満)とUVA以外に紫外線にはUVBもあります。UVBは波長280-320nm、UVAは320-400nmです。太陽光にはUVAだけではなくUVBも含まれています。海水浴などで真っ赤に日焼けした場合、その責任割合はUVBが7-8割、UVAが2-3割と見積もられています。

UVBはヒトの場合、細胞の核内にあるDNAに直接吸収されてDNAに傷をつけます、一方、UVAは生体内の様々な分子に吸収され、その結果生じる活性酸素を介して細胞の膜脂質や蛋白質、DNAなどに酸化的損傷を与えます。これらは、既によく知られた事実です。ですので、0.1ミクロン(1mmの1万分の1)のタンパク質と脂肪の薄い膜の中のRNAが太陽光で傷つくだろうというのは、わざわざ実験しないとわからないことだとは思えません。

この発表を受けて、トランプ大統領は「患者の体内に日光を照射したり、消毒液を注射したりするのはどうだ」と「フェイク治療」を提案したようです。

いずれにしても、コロナウイルスが太陽光で不活化されるというのはGood Newsです。

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