インフルエンザ予防の新知見、養命酒の含有成分が有効か??

インフルエンザ予防の新知見、養命酒の含有成分が有効か
かなり怪しい話です。研究者の利益相反が問われるケースだと思います。以下は、記事の抜粋です。


クロモジエキスを配合した、あめの摂取によるインフルエンザ予防効果が示唆された―。養命酒製造株式会社(以下、養命酒)と愛媛大学医学部の共同研究グループは、2017/2018シーズンに実施した「クロモジエキス配合あめ」のインフルエンザ予防効果に関する二重盲検試験を実施。風邪症状(発熱、喉・鼻症状)の有無や有症日数についても同時に解析を行った結果、クロモジエキス配合あめ摂取群がプラセボあめ摂取群と比較して、インフルエンザ感染患者の抑制ならびに風邪症状の有症期間を有意に短縮した。

対象者は同大学で勤務し、インフルエンザワクチン接種済みの看護師の男女134名で、1日3回、12週間にわたりクロモジエキス67mgを配合したあめ摂取群とプラセボあめ群に割り付けられていた。


元論文のタイトルは、”Effectiveness of kuromoji (Lindera umbellate Thunb.) extract in the prevention of influenza infection after vaccination: A randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study.”です(論文をみる)。

記事の文章をみるときちんと行われている実験のように見えますが、以下の愛媛大学のプレスリリースの図をみると、「風邪症状」と「喉症状」と「鼻症状」には著名な効果があったけれども、「発熱」にはほとんど効果がないことがわかります。

大阪市のページにも書かれているように、インフルエンザの症状は、「38度以上の高熱、悪寒、頭痛、咳、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状。鼻水、のどの痛みや胸の痛みなど。(発熱は3から5日間続き、1週間程で治癒)」です。しかし、なぜかこの実験では「悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感、食欲不振」などのインフレエンザに特徴的な全身症状に対する「クロモジエキス配合あめ」の効果は調べられておらず(少なくともプレスリリースには発表されていない)、主要な症状である発熱にも効果がありません。これで「インフルエンザ予防」と言えるのでしょうか?

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