数百万人の子どもの目と命を救ったはず「ゴールデンライス」「カルタヘナ議定書」が原因で広まっていない

数百万人の子どもの目と命を救ったはずの遺伝子組み換え作物「ゴールデンライス」は規制が原因で広まっていない
以下は、記事の抜粋です。



「ゴールデンライス」は遺伝子組み換え技術によって生まれた、ビタミンAを多量に含むイネです。ゴールデンライスは発展途上国の子どもたちの命と目を救う食品として開発されましたが、遺伝子組み換え作物に対する規制が原因で、困窮している子どもたちがゴールデンライスを食べられない状態が続いています。

ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きのある必須栄養素です。先進国では多数の食品にビタミンAが含まれているためあまり問題になりませんが、ビタミンA欠乏症が続くとしだいに目が見えなくなり、失明し、最終的には命を落とします。世界規模でみると、5歳未満の子どもの約3分の1がビタミンA欠乏による失明の危険性があると考えられており、1日あたり約2000人の子どもがビタミンAの欠乏により亡くなっているとされています。

ゴールデンライスは、フライブルク大学のピーター・ベイヤー教授とスイスのインゴー・ポトリクス氏が開発した、ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンを細胞内で合成するように遺伝子を組み換えたイネ。「ゴールデン」の名は、精米後の色が明るい黄色をしていることに由来します。普通の米に比べて、ゴールデンライスはオレンジ色に近い黄色です。

バングラデシュなどのアジアの貧しい地域では、子どもが食べるものはご飯「だけ」で、他にはなにも食べないというケースがみられます。そのため、ビタミンAを含む食品として米が選ばれたわけです。

しかし、作家のエド・レジス氏は、「発展途上国の子どもたちはゴールデンライスを食べられない」と指摘しています。その原因について、レジス氏は環境保護団体グリーンピースが長年にわたって「ゴールデンライスは世界の貧困問題から目をそらすために仕組まれたデマ」だと声高に叫んできたことも一因だと語っていますが、真の原因は「カルタヘナ議定書」だと述べています。

カルタヘナ議定書は、2003年より発効された、生物多様性に悪影響を及ぼすおそれのある遺伝子組み換え生物の管理・輸出入・使用に関する国際条約です。レジス氏は、ゴールデンライスがカルタヘナ議定書によって「無罪だと証明されるまでは有罪」と扱われるようになったと語っています。

その結果、ゴールデンライスは実験室での生成から農場での耕作試験、スクリーニングテストの各段階において規制によってがんじがらめにされるようになったとのこと。ベイヤー教授とポトリクス氏がゴールデンライスを開発したのは2000年のことでしたが、アメリカとカナダがゴールデンライスを認可したのは2018年。そして、ゴールデンライスが本当に必要であるはずの貧しい発展途上国ではまだ認可が下りていません。フィリピンやバングラデシュでは、ゴールデンライスの認可は早くとも2019年末頃までかかる見込みだと報じられています。

レジス氏は、「過剰な規制によってゴールデンライスの研究開発が妨害・遅延された結果、数え切れないほどの子どもたちが失明し、そして死に至りました」と語っています。


関連記事で紹介したように、本ブログでもゴールデンライスについては何度も紹介してきました。

このトランスジェニック植物は、」の作成が発表された時は、トウモロコシからのphytoene synthaseとバクテリアからのcarotene desaturaseをコードする遺伝子を米粒特異的にイネに発現させるという技術で作成されました(論文をみる)。

1食分のゴールデンライスは、推奨摂取量の60%のビタミンAを提供することができるとされており、世界で1億人以上の子供がビタミンA欠乏の影響を受け、毎年200万の子供達が死に50万の子供が失明している現状の改善が期待されていました。

既に発売されているとばかり思っていたので、この記事にとても驚きました。また、ゴールデンライスの研究開発が妨害・遅延されているのはグリーンピースなどの反対団体のせいだとばかり思っていたので、「カルタヘナ議定書」のせいだったというのにはもっと驚きました。

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