「ひとりっ子は自己愛的」という説は誤り

「ひとりっ子は自己愛的」という説は誤りだとの研究結果
以下は、記事の抜粋です。


「ひとりっ子は自己愛が強く、自己中心的になる」といわれることがあります。そんな「ひとりっ子は自己愛的」という説は「偏見である」と否定する研究が発表されました。

ライプツィヒ大学のミヒャエル・ダフナー氏らの研究グループは、ドイツ経済研究所が実施している社会経済パネル調査を通じた個人面談により、ひとりっ子233人・非ひとりっ子1577人の合計1810人を対象とした調査を実施。また、参加者がひとりっ子かどうかだけでなく、自己愛的な傾向に影響を与えるとされる社会的な要因である「性別」「年齢」「親の社会的地位」「親の教育水準」「出身地が都市部か農村部か」「一人親世帯かどうか」「移民出身か)」のデータも採取しました。

その結果が以下の図です。上段が生の調査結果で、下段が社会的な要因を加味した調査結果です。社会的な要因の影響を除外した下段のグラフも、データに調整を加えていない上段のグラフでも、非ひとりっ子よりひとりっ子の方が自己愛的な傾向がわずかに小さいという結果になりました。


ダフナー氏は調査について「大規模かつ包括的なデータセットを使用し、ひとりっ子と非ひとりっ子の自己愛性の違いを徹底的に分析することで、通説とは明らかに矛盾した結果が得られました」と述べて、「ひとりっ子は自己愛的」との考えは根拠のないステレオタイプにすぎないとの見方を示しました。


元論文のタイトルは、”The End of a Stereotype: Only Children Are Not More Narcissistic Than People With Siblings”です(論文をみる)。Narcissistic(ナルシスト的)というのをこの記事では「自己愛的」と日本語訳しています。

いずれにしても、一人っ子として長い間偏見を経験してきた私としては、もう少し早くこういう論文を発表して欲しかったと思います。

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