新しい痛風治療薬フェブキソスタット(febuxostat)

【帝人ファーマ】痛風治療薬「TMX‐67」を欧州でも販売開始‐海外展開を加速

以下は、記事の抜粋です。


帝人ファーマは3月9日、痛風・高尿酸血症治療薬「TMX‐67」(一般名:フェブキソスタット)について、導出先の仏イプセンと伊メナリーニが欧州で販売を開始すると発表した。欧州での製品名は「アデニュリック」で、米国に続く2番目の上市となる。

フェブキソスタットは帝人ファーマが自社創製した新規キサンチンオキシダーゼ阻害剤。

フェブキソスタットは昨年、米国で武田薬品の米子会社TPNAが販売を開始し、初めての市場投入を果たしているが、今回、米国に続き、欧州で開業医に強いメナリーニが「アデニュリック」の販売を開始することになった。

帝人ファーマは、世界戦略製品と位置づけるフェブキソスタットを米国・欧州に投入することで、海外展開をさらに加速させたい考え。米国・欧州市場合計で売上高1000億円の達成を目指す。

米欧以外では、アジアで韓国の導出先のSKケミカルズがフェブキソスタットの承認を取得済み。日本では再申請中となっている。台湾では導出先の台湾アステラスが申請準備を進めている段階にある。


血清の尿酸値が上昇し、尿酸が結晶化して関節に激しい痛みをおこす痛風は、進行すると腎障害をもたらし死に至ることもあります。肉類やビール等のプリン体摂取量の増加が要因とされ、現在、国内での痛風患者数は約30万~50万人、高尿酸血症は約200万人とされています。

アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼ(XOD)を阻害して尿酸の産生を阻害し、痛風の予防薬、治療薬として世界中で広く用いられています。しかし、皮膚粘膜眼症候群(スチーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)という重大な致死性の副作用があります。特に、腎機能が低下している場合は、排泄の低下により副作用がおこり易くなります。

フェブキソスタットは、帝人ファーマが創製したものです。現在使用されている唯一のXOD阻害薬、アロプリノールの副作用を減らすために開発された、世界初の「非プリン型XOD阻害剤」です。痛風治療薬としては、実に約40年ぶりの新薬です。腎排泄ではなく、胆汁排泄なので、腎機能が低下した患者にも使えるそうです。

このように、先行するアロプリノールに対する優位性が明確で、対象患者数、競争薬などでも良い条件がそろっています。すでにアメリカではかなり処方されているようで(2009年度の米国売上高で約100億円を達成できる見通し)、国産ブロックバスター候補NO.1だと思います。

関連文献・記事
Febuxostat Compared with Allopurinol in Patients with Hyperuricemia and Gout.
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