「無能な人は自分を過大評価する」ダニング=クルーガー効果

「無能な人だけが自分を過大評価する」は間違い、本当は平均的な人でも自分を過大評価する
以下は、記事の抜粋です。


「愚かな人は自分を高く評価する」というダニング=クルーガー効果が近年は注目されていますが、実は自己に対する過大評価を行う傾向は「愚かな人」だけでなく、「高い知識を持つ人以外の人」にみられるとのこと。「自分は愚かではないから過大評価を行っていない」という認識自体がダニング=クルーガー効果の一部であると、神経内科医が指摘しています(指摘をみる)。

ダニング=クルーガー効果は一般的に「無知の知」のような文脈、つまり「能力の高い人は自己を過小評価するが、能力の低い人は自己を高く評価する」という文脈で使われます。

しかし、神経内科医のたスティーブン・ノヴェッラ氏は「ダニング=クルーガー効果は無能な人にだけ起こるのではなく、どのような人にも起こりえる」という点を指摘し、「無能な人だけが自己を過大評価する」と限定的に解釈することは誤解だと述べています。

ダニング=クルーガー効果はデイヴィッド・ダニング氏とジャスティン・クルーガー氏という2人の研究者が2012年に定義づけました(論文をみる)。

この論文で示されたのが以下のグラフ。青いグラフが「自分の能力に対する認知」、赤いグラフが「自分が認知するテストの点数」、緑のグラフが「実際のテストの点数」となっています。縦軸が被験者のスコア、横軸が被験者の能力の高さとなっており、テストの点数が最も低い「Bottom Quartile」の人が最も自己を過大評価し、テストの点数が高い「Top Quartile」の人は逆に過小評価することが示されています。一方で、「Top Quartile」以外の人は多少なりとも自分の能力を過大評価する傾向があることも示されています。

ダニング=クルーガー効果の意味を「愚かな人が自分を過大評価すること」と限定的に解釈してしまうと、人は自己啓発と批判的思考の機会を逃すことになります。このようなダニング=クルーガー効果の研究は2019年時点でも進行中であり、「自己評価能力」もまたダニング=クルーガー効果のカギであると考えられています。

つまり、ある分野の知識が不十分だと、自分の知識がどれほどのものなのかを評価することすらままならなくなるということ。最初の知識を得てからしばらくは、「全く知識を持たなかった時の自分」と比較して自信が大きくなります。しかし、あるラインを越えると、「自分の知らない知識がどれほど存在するのか」が見え、本物の専門家がどれほどの知識を持っているのかを理解するのです。このことを認識していれば、自分の専門分野とそうでない分野についても評価に役立つはず。

なお、ダニング=クルーガー効果はナルシズム傾向といった個人の性格にも影響されるもの。「知識がないこと」「自分を過大評価すること」「批判を受け取らないこと」の組みあわせでダニング=クルーガー効果が大きくなると考えられています。


おもしろい説ですが、本当にすべての能力にあてはまるのでしょうか?

仕事の能力と政治的な能力が高く、さらに自分を過大評価している(自己評価能力を欠いた)ヒトがいて、周囲を困らせているような気がします。

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