DNA研究の米ノーベル賞受賞者、人種差別発言で名誉職剥奪

DNA研究の米ノーベル賞受賞者、人種差別発言で名誉職剥奪
以下は、記事の抜粋です。


DNA研究でノーベル賞を受賞した米ジェームズ・ワトソン氏(90)が、人種差別的な発言を繰り返したとして、かつて自らが所長を務めていた研究所の名誉職を剥奪された。

ワトソン氏は1950年代、フランシス・クリック氏と共同で、DNAの二重らせん構造を発見した人物。今月2日(2019年1月)に放送されたPBSのドキュメンタリーの中で、白人と黒人の知能検査では、遺伝子に起因する知性の差が出ると発言した。

ワトソン氏が1968年から93年まで所長を務めたコールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)は、この発言を「事実無根の見境ない個人的意見」と位置付け、「科学的な裏付けを欠く非難すべき」発言と形容。「偏見の正当化を目的とした科学の不正利用」だとして非難した。

ワトソン氏は2007年のサンデー・タイムズでも、「アフリカの展望については本質的に悲観的」な見解を持っていると述べ、「我々の社会政策は、彼らの知性が我々と同じだという事実に基づいている。だがそうでもないことが、あらゆるテストで示されている」と主張。「黒人従業員を相手にしなければならない人たちには、それが真実ではないことが分かっている」と言っていた。

この発言をきっかけにCSHLはワトソン氏の役職を解いたものの、これまで名誉職は維持していた。同氏は2007年の発言について謝罪したものの、今回のPBSのドキュメンタリーでは、自身の見解は変わらないと述べていた。

同氏は過去にも問題発言を連発し、1997年のサンデー・テレグラフ紙では、胎児に同性愛の遺伝子が見つかった場合などは、人工妊娠中絶を認めるべきだと語っていた。


私はちょうどワトソン氏が所長を務めていた頃のCSHLを訪れたことがありますが、そのころの彼の権威は本当に絶対的でした。関係ないですが、CSHLの中よりも外の小さな港の海にBlue Fishとよばれる美味しそうな魚の群れが泳いでいた風景をよく覚えています。

今年90歳ということは、2007年でも77~8歳です。退職して、認知症が始まっていてもおかしくない年齢になって発言したことで、過去の名誉を失ってしまうとは気の毒です。そのうちノーベル賞を剥奪されるヒトも出てくるかもしれません。しかし、野依さんや利根川さんの扱いをみていると、日本ではまだまだ大丈夫そうです。

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