これは大変なことです!!早期肺がんにおいて術前のチェックポイント阻害薬併用は有効

早期肺がんにおいて術前のチェックポイント阻害薬併用は有効
以下は、記事の抜粋です。


ニボルマブ+イピリムマブの併用による術前補助療法、すなわち手術前の治療を受けた早期切除可能非小細胞肺がん患者における病理学的著効(major pathologic response:MPR)率は33%であった。これらの患者では、手術時点での腫瘍の残存率が10%以下であることを意味する。この結果から、この併用免疫療法は第2相NEOSTAR試験で事前に規定した有効性評価項目を満たしたこととなる。この試験はテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究チームが実施した。

ニボルマブによる単剤療法群のMPR率は17%であり、両群を合わせたMPR率は25%であった。

早期又は局所進行肺がん患者は治癒が得られる可能性があるものの、手術のみの場合は患者の半数以上が再発をきたす。したがって、再発リスクを低下させる最も有効な術前補助療法の選択肢を特定する差し迫ったニーズがある。

前臨床試験から、肺腺がん中の免疫チェックポイントタンパク質のPD-L1の発現量の増大は、がんの転移及び生存上重要なことが明らかになり、術前補助療法としての免役療法を検討することの理論的根拠を示している。

本試験以前に、単剤での術前補助免疫療法により22~45%のMPR率が得られることがわかっていた。しかし、切除可能NSCLC患者を対象とした抗PD-1薬+抗CTLA-4薬併用による免疫チェックポイント阻害による術前療法の検討は行われていなかった。

研究チームは、術前に免疫チェックポイント阻害剤を併用することの有効性を検討するために本試験を設計した。試験では患者44人を登録し、ニボルマブ(抗PD-1阻害剤)単剤による補助療法群とニボルマブ+イピリムマブ(抗CTLA-4阻害剤)による術前補助併用療法群のいずれかに無作為に割り付けた。

本試験の主要評価項目はMPRであり、免疫チェックポイント阻害剤の単剤療法または併用療法のMPR率は、術前補助化学療法を受けた既存対象を用いて算出したMPR率より高いと仮定した。この有望視されている特定の治療法に関する試験で事前に規定された有効性評価項目は、intention-to-treat集団において得られたMPR率が6ポイント以上高かった。

切除可能非小細胞肺がん患者を対象とした術前補助療法の試験において、MPRは代替評価項目として採用された。これは、全生存および無再発生存の改善と正の相関が示されているためである。

併用療法による術前治療を受けた患者21人中7人がMPRを達成したのに対して、ニボルマブ単剤療法を受けた患者では23人中4人であった。

本試験は両群を比較できるほどの検出力はなかったが、併用療法の方が手術時の残存腫瘍の低減においてより有効であるようであった。試験において併用療法後に手術を受けた患者の6人(38%)では、手術時に病理学的完全奏効又は腫瘍の消滅を認めたが、ニボルマブ単剤療法を受けた患者では2人(10%)のみであった。外科的切除の段階で腫瘍残存率が50%を超えていた患者の大半はニボルマブ単剤療法を受けていた。

また、本試験では治療前、中、後の時点で各種生体試料を患者から採取した。これにより、結果についての患者間の差異の原因を検討し、治療により生じる潜在的バイオマーカーの動的変化を理解することが可能となった。治療前の腫瘍内でのPD-L1(免疫チェックポイントタンパク質)の発現量上昇は、手術時のX線画像上の奏効および病理学的腫瘍縮小と正の相関を示すことを研究チームは発見した。


この試験は、小規模コホートなので評価には慎重になる必要があります。しかし、進行がんへのチェックポイント阻害薬の効果が確立していることを合わせて考えると、早期肺がんに対する術前補助併用免疫療法が有効である可能性は極めて高いと思います。

現在の日本では、チェックポイント阻害薬は肺がんだけではなく、腎細胞がんや悪性黒色腫などの様々ながんに用いられていますが、「根治切除不能な」とか「進行・再発の」とか「がん化学療法後に増悪した」とか「再発又は難治性の」などの形容詞のついた進行したがんにのみ適応が認められています。

進行したがんにも有効なのであれば、早期のがんにも有効に違いないと誰でも考えますし、上の報告などをみると実際にも有効のようです。

これは、ほとんどのがん治療で早期からチェックポイント阻害薬が使われる可能性を示しています。そうなれば、日本の健康保険耐性はまちがいなく崩壊します。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする