アブレーションによる心房細動の根治率は約1/4

カテーテルアブレーションで心房細動は根治するか?
少し専門的な話題ですが、重要なので紹介します。心房細動は、心房が痙攣したようになり、血液を心室へ送り出す心房としての役割を全く果たせなくなる病気です。心房内で無秩序な電気信号が多発している状態と考えられています。60才以上で人口の6~7%の高齢者に見られる病気で、心臓のポンプ機能には余り影響しないため、短期的には強い症状が現れることはありません。しかし、心房細動が長期間続くと、心房の中で滞留した血液が凝固して血栓となり、それが他の臓器の動脈を塞いで血栓塞栓症、例えば脳梗塞や肺塞栓などを引き起こすことがあります。近年、左心房-肺静脈接合部の異常自動能がその原因の90%を占めることが明らかになり、薬物療法などと組み合わせたアブレーション治療が行われるようになってきています(循環器病センターのサイトをみる)。この記事は、アブレーションによって心房細動がどのくらい根治するかを説明していますが、従来私が考えていたよりもはるかに少ない率でした。以下は、記事の抜粋です。


心房細動バーデンはアブレーション群で5.5%、抗不整脈薬群で11.5%であり、アブレーション群で有意に改善し、結果的にQOLもアブレーション群で有意に改善した。

ループレコーダーによる心房細動の非再発率はアブレーション群で25.3%、抗不整脈薬群で29.7%であり、両群ともに70%以上に3ヵ月のブランキング以降に再発を認めたが、ホルターではそれぞれ84.9%、78.4%の非再発率であり、ループレコーダーによる再発率とは極端な乖離がある。このデータが正しければ、アブレーションにより心房細動再発を認めないのは4分の1の症例であり、根治は非常に難しいと考えざるをえない。

心房細動アブレーション後の真の再発の評価にはループレコーダー植え込みが推奨されるし、安易にアブレーション後の抗凝固薬を中止すべきでない、ということの根拠になろう。


ホルターとループレコーダーで再発率に極端な乖離があるということは、自覚症状的には、アブレーションも抗不整脈薬もかなり改善するということだと思います。しかし、実際には根治している訳ではなく、心房細動が発生しているということは、脳梗塞や肺塞栓のリスクは高いはずです。「安易にアブレーション後の抗凝固薬を中止すべきでない」という根拠の1つだと思います。

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