市販の風邪薬で心血管疾患リスクが上昇する恐れ、AHA

市販の風邪薬で心血管疾患リスクが上昇する恐れ、AHA
元の記事では、市販の鼻炎薬についても書かれていますが、日本では市販されていないので、解熱鎮痛薬についての部分のみを抜粋して以下に紹介します。


非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は多くの風邪薬に含まれるが、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)が2017年に共同で発表した、成人における高血圧ガイドラインでは、血圧を上昇させる可能性のある薬剤としてリストに掲載している。

NSAIDについては、健康な人でもリスクがある可能性が報告されている。2017年に発表された論文では、心筋梗塞で入院した約1万人の呼吸器感染症患者を対象に調査を実施した。参加者は、心筋梗塞を起こした時点で平均年齢が72歳で、糖尿病や高血圧などの心血管リスク因子を有していた。解析の結果、NSAIDを使用した人は、使用しなかった約1年前と比べて、1週間以内に心筋梗塞を発症する可能性が約3倍であったことが分かったという。

研究者は「単に風邪やインフルエンザに罹るだけでも、心血管系に負担がかかるが、細菌やウイルスに身体が抵抗することで心拍が上がり、炎症が起こる。一方、NSAIDを使用すると尿中へのナトリウム排出量が減り、体液貯留が増加して血圧が上昇するなどの問題が生じる可能性がある。なお、NSAIDの添付文書には、心筋梗塞や脳卒中リスクの上昇に関する警告表示がされている」と説明している。また、別の研究者は「心疾患を有する人では、NSAIDは特に危険を伴う」と指摘する。

先の高血圧ガイドラインでは、血圧に影響を与えないようにするため、できる限りNSAIDの使用は避けるようにと助言している。その代替として、NSAIDの外用薬やアセトアミノフェンの使用が推奨されている。

一方、別の研究者は、症状が軽度な場合は、安静にして水分をたっぷり取り脱水を予防するほか、寒い季節やインフルエンザの流行シーズンには特に、頻繁に手洗いし、睡眠を十分に取って感染症予防に努めるよう助言している。


プロスタグランジン(PG)は、腎臓では輸入細動脈などの微小血管を拡張させることで、腎血流量や糸球体濾過量(GFR)を増やすなどの、腎機能の維持に関与しています。特に、高齢者では血圧上昇を抑制しています。

NSAIDsは、腎臓でPGの産生を抑制し、Na再吸収や水再吸収を抑制する結果、水やNaが貯留し、血管拡張を抑制します。NSAIDsを投与すると、平均血圧5mmHg程度が上昇するといわれています(サイトをみる)。

「心筋梗塞や脳卒中、心不全、コントロール不良な高血圧の既往がある人では最も注意が必要だ」ということですので、高齢者、特にこれらの病気を持つヒトは、NSAIDsをさけ、解熱や鎮痛がひつような時はアセトアミノフェンを飲むようにしましょう。

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