サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポン

サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポン
以下は、記事の抜粋です。



見慣れた葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」かな。あれ、ちょっと違うぞ…よく見ると白波が論文になっている…全米科学振興協会(AAAS)が発行する、世界を代表する科学週刊誌サイエンスに掲載された絵は、日本を強く意識させるものになっていた。

「嘘の大波(TIDE OF LIES)」と題されたその記事は、サイエンスの2018年8月17日号に掲載された(記事をみる)。記事は骨の研究者で医師の佐藤能啓氏を取り上げている。

佐藤能啓氏は、骨折とビタミンなどに関する大規模な臨床試験を行ったとして論文を発表してきた。佐藤氏の論文はほかの論文にも引用され、骨折予防の治療指針の根拠となっていた。その論文にデータの捏造、改ざんという研究不正があったのだ。

記事は、佐藤氏の研究ネカトを「科学史上最大」とさえ言う。佐藤氏の論文に疑義を持った英国の研究者、アリソン・アヴェンル氏の軌跡を追い、論文が撤回されていく過程を追う。そのなかで、日本の研究環境の異常さが明らかになっていく…

記事は、論文監視サイト「リトラクションウォッチ」が作成した、撤回論文数の研究者別ランキングを引用し、研究論文の5%しか作成していない日本人が、撤回論文が多い研究者上位10人のうち半分の5人を占めることを指摘する。記事には明示されていないが、日本は研究不正大国、いや医学研究不正大国と言われても仕方ないだろう。

研究不正によって作られた論文が疑義を示されず放置される状況はどうして起こされるのか。記事は日本の文化に度々触れる。研究していない者が論文著者になる文化、そして目上の者に意見を言えない文化、オタク文化、恥で死んでしまう文化…。日本の(医学)研究は世界からの信頼を失いつつある。


以下は、JAMA誌に掲載され撤回された佐藤氏の論文の日経メディカルでの紹介記事です。


ビタミンB群で骨折予防 プラセボ対照試験で確認

見立病院(福岡県田川市)神経内科の佐藤能啓氏らは、脳梗塞後の患者を対象としたプラセボ対照試験で、葉酸と活性型ビタミンB12の服用が、大腿骨頸部の骨折を5分の1に減らすことを確認した。ビタミンB群の補充で骨折が減ることを、前向き試験で確認したのは世界でも初めて。研究結果は、米医師会雑誌「JAMA」の2005年3月2日号に掲載された。


日本人は、都合が悪くなれば腹を切る体質だと思われているところが嫌ですが、撤回論文ランキング上位者の半数が日本人でしょうと言われればぐうの音もでないのも確かです。日本人の気質の問題ではなく、文科省と大学が作り上げてきたシステムの問題だと思います。

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