降圧薬は心房細動患者の認知症発症リスクを低減する

心房細動患者の認知症発症、降圧薬やワルファリンで2割減
以下は、記事の抜粋です。


1万例以上の心房細動患者を対象とした研究で、降圧薬処方や(抗凝固薬の)ワルファリン使用が、認知症発症率の低下と関連していたことをカロリンスカ研究所のPer Wandell氏らが報告した。対象は、スウェーデンのプライマリケアで心房細動と診断された45歳以上の患者1万2,096例(男性6,580例、女性5,516例)。心房細動発症前に認知症と診断されていた患者は除外した。性別、年齢、社会経済的要因および併存疾患を調整し、Cox回帰を用いてハザード比(HR)と95%信頼区間を算出した。

主な結果は以下のとおり。

・平均5.6年間の追跡期間(6万9,214人年)に750例(6.2%)が認知症を発症した。
・サイアザイド処方患者(HR:0.81)およびワルファリン処方患者(HR:0.78)は、処方されていない患者に比べて有意に認知症リスクが低かった。
・異なる降圧薬(サイアザイド、β遮断薬、Ca拮抗薬、RAAS阻害薬)の1~4種類の使用は、認知症の減少と関連していた。1剤または2剤の処方患者では、降圧薬を処方されていない患者に比べてHRが0.80、3剤または4剤の処方患者のHRは0.63であった。
・RAAS阻害薬とサイアザイドの併用は、併用処方されていない患者に比べて有意に認知症リスクが低かった(HR:0.70、95%CI:0.53~0.92)。


元論文のタイトルは、”Antihypertensive drugs and relevant cardiovascular pharmacotherapies and the risk of incident dementia in patients with atrial fibrillation”です(論文をみる)。

心房細動の患者には、ワルファリンあるいは直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)を投与して、血栓ができないようにするのが標準治療なので、この研究は降圧薬の使用が認知症リスクにどう影響するかを調べるのが第一目標だと思います。

元論文のハイライトにも、”The present study explores the connection between antihypertensives in atrial fibrillation patients and incident dementia(本研究は、心房細動患者における降圧薬と認知症発症の関係を調べる)”と書かれています。

高齢者の降圧薬使用については、議論が多いですが、こういう視点も重要だと思います。

心房細動の有無別に見た認知症の発生率
(Bunch TJ, et al. Heart Rhythm. 2010;7:433-7.)

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