血圧を下げるワクチンは普及するか?

血圧下げるワクチン、治験開始…1度の注射で効果持続
以下は、記事の抜粋です。


日本で開発された血圧を下げるワクチンの臨床試験(治験)が先月、オーストラリアで始まった。1度の注射で効果が一定期間続くもので、大阪大発の医療ベンチャー企業「アンジェス」が初めて開発し、2020年代前半の実用化を目指している。

高血圧は脳 梗塞こうそく や心筋梗塞の原因となり、日本でも約4300万人の患者がいる。治療は毎日の服薬が中心だが、飲み忘れなどで血圧を目標値まで下げられない患者も多い。ワクチンなら血圧管理の中断を防ぎやすい利点がある。

治験が始まったのは、血圧を上げる「アンジオテンシン2」という物質に対する抗体を作り、この物質の働きを抑えるためのワクチン。遺伝子に働きかけて体内に抗体を作るDNAワクチンという新しいタイプだ。治験の対象は、成人の高血圧患者24人。ワクチンの量が多いグループと少ないグループ、プラセボ(偽薬)のグループに分け、1年間、経過観察して安全性や効果を比較する。


臨床試験といっても、まだ第I相が始まったばかりの段階のようですので、安全性の確認が中心だと思います。問題は、もしも本当にワクチンが効いて血圧が下がったら、下がりっぱなしになってしまうことです。薬なら血圧が下がり過ぎた時は薬を中止すればOKですが、ワクチンが効いて抗体ができてしまったらそうは行きません。他の副作用が出た場合も、薬なら中止すればよいところが、いつまでも副作用が止まらない可能性があります。

現在、降圧薬には既に多くの選択枝があり、良く効く薬でもジェネリックの価格は低いので、経済的な負担が軽い治療が可能です。ワクチンの価格がどの程度になるのかわかりませんが、一般にバイオ医薬は高価に設定されるので、バイオ医薬である「高血圧ワクチン」の使用が現在の降圧薬よりも低コストになるとは思えません。

生活習慣を改善することで、ある程度改善できる、というかすべき疾患に対して、一度投与したら長期に効果が出てしまうこのような「ワクチン」を使うことは、推奨できません。

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