日本で最も使用される糖尿病治療薬「DPP-4阻害薬」で炎症性腸疾患リスク増大

DPP-4阻害薬で炎症性腸疾患リスク増大/BMJ
以下は、記事の抜粋です。


2型糖尿病患者においてDPP-4阻害薬は、炎症性腸疾患(IBD)のリスク増大と関連することが、カナダ・Jewish General HospitalのDevin Abrahami氏らによる研究の結果、明らかにされた。IBDのような自己免疫疾患における、DPP-4酵素が及ぼす影響は解明されていない。しかし、低濃度のDPP-4酵素がIBDの疾患活動度を高めることは知られている。

研究グループは、2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬の使用がIBD発症と関連しているかを、住民コホート研究にて評価した。

英国の医療関連データベース(UK Clinical Practice Research Datalink)を用いて、2007年1月1日~2016年12月31日の間に抗糖尿病薬の服用を開始し、2017年6月30日までフォローアップが行われていた、18歳以上の14万1,170例について検討した。

その結果、全体として、DPP-4阻害薬の使用とIBDのリスク増大との関連が認められ、他の抗糖尿病薬と比較して発症リスクは1.75倍、3~4年使用後がピークで2.90倍だった。


DPP-4阻害薬は、2009年に臨床現場に登場して以来、あっという間に日本で最もよく使用される糖尿病治療薬になりました。腸から血中に分泌されるインクレチンと呼ばれるホルモンの活性を高めることにより間接的にインスリンの分泌を高めて血糖を下げるとされています。

元論文のタイトルは、”Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and incidence of inflammatory bowel disease among patients with type 2 diabetes: population based cohort study”です(論文をみる)。

上の記事で「低濃度のDPP-4酵素がIBDの疾患活動度を高めることは知られている。」というのは直訳過ぎてよくわかりませんが、論文に”clinical data indicate that patients with inflammatory bowel disease have lower serum dipeptidyl peptidase-4 enzyme concentrations than healthy controls.”とあるので、炎症性腸疾患(IBD)の患者さんの腸ではDPP-4活性が低いことが報告されているようです。それでDPP-4活性を薬で阻害するとIBDにかかり易いのではないかというのがこの研究の発想だと思います。

やはり、安直に新薬を使うのは避けるべきだと思います。

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