「1回飲むだけのインフル新薬『ゾフルーザ』」を賛美する医師の解説について思うこと

1回飲むだけのインフル新薬「ゾフルーザ」ってどんな薬? 医師に聞いた:「ウイルスが早く消えるので、職場や家族内の感染も減る」
以下は、記事の抜粋です。


インフルエンザの新薬が承認された。塩野義製薬は2月23日、インフルエンザの新薬「ゾフルーザ」が厚生労働省に承認されたと発表した。2018年シーズンが終わる5月までに薬価が決まり、発売される見通しだ。ハフポスト日本版は、承認にあたっての臨床試験を担当した、廣津伸夫・廣津医院院長に、これまでの治療薬との違いや効果について尋ねた。

以下は、廣津院長の解説だ。

■従来薬との違い
インフルエンザウイルスはまず、鼻や喉の粘膜の細胞に入り込みます。細胞の中で増殖した後は、外に出て隣の細胞に次々と入り込んでどんどん増えていき、24時間で100万倍に増えるといわれています。

これまで使われてきたタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタなどの治療薬は、「ノイラミニダーゼ阻害剤」という種類で、細胞内で増えたウイルスが細胞から外に出るプロセスをはばむことで、周りの細胞に感染が広がっていくのを防ぎます。

一方、ゾフルーザは、「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤」と呼ばれる種類の薬で、細胞内でのウイルスそのものが増えないようにする働きがあります。

■服用は1回だけ
飲み方は、タミフルが1日2回、5日間の服用が必要なのに対し、ゾフルーザは錠剤を1回飲むことで完結しますので、利便性が高く、飲み忘れるといったことも無くなります。服用量は体重によって違いますが、体重が10kg以上なら子供でも飲めます。また、季節性インフルエンザAとインフルエンザBの両方で使えます。

■効果は
2016年から2017年にかけ、12~64歳のインフルエンザ患者約1440人を対象にした最終段階の臨床試験(第三相試験)で、薬の効果や副作用を検証しました。

①発熱や関節痛、喉の痛みといったインフルエンザの症状が出ている期間

②ウイルスが体から消えるまでの期間

―――などを、ゾフルーザを飲んだグループ、プラセボ(偽薬)のグループ、もしくはタミフルを飲んだグループと比べました。

①の「症状が出ている期間」(中央値)はゾフルーザが53.7時間でタミフルと同じ程度の長さでしたが、②のウイルスが消えるまでの時間(同)は、ゾフルーザが24.0時間、タミフルが72.0時間と、ゾフルーザの方が、かなり早い時期に消えました。

有害な副作用については、プラセボと同じ程度の出現率で、タミフルと比べても低いという結果が出ました。

また、動物実験の段階ですが、H5N1やH7N9といった鳥インフルエンザのウイルスや、従来の治療薬に耐性をもったウイルスにも効果があることも分かりました。

■ウイルスが早く消えるので、感染も減る
この結果から言えることは、ゾフルーザを飲んでも症状がなくなるまでの時間はタミフルと比べてそれほど変わらないかもしれませんが、ウイルスが体から早く消えるのはゾフルーザの方がずっと早いので、その分、他人に移してしまうことが減るでしょう。家族内や学校、職場でのウイルスの広がりを抑えられると思います。

この薬が出たことで、今までのインフルエンザ診療に新しい選択肢が加わり、治療の幅も広がると期待しています。

鳥インフルエンザや耐性ウイルスにも効果があるため、パンデミック(大流行)へ の備えにもなると思います。


以下は、私が思ったことです。

1.塩野義のコマーシャルのような記事です。廣津伸夫氏は、塩野義から直接・間接的に報酬を受けている可能性が高い。

2.インフルエンザは、健康なヒトであれば、服薬しなくてもほとんどが自然治癒します。服薬しない場合、寒気や頭痛などで始まり、38度から40度の発熱、関節痛、筋肉痛、喉の痛みなどが出現します。発熱は3~4日ほど続き、ほぼ1週間で症状は回復します。データによると、羅病期間は偽薬服用で93.3時間(73.2-106)、タミフル服用で70時間(53.8-85.9)です。上の記事だとゾフルーザを飲んでも変わりません。つまり、症状が出る期間が1日少なくなるだけです。服用でウイルスが増えなければ免疫もできにくい可能性があります。

3.薬を飲んでも飲まなくても、登校には「解熱後2日が経過していること、かつ発症後5日を経過していること」という条件は変わらないでしょう。タミフルを服用した場合と同じです。廣津氏は、「ウイルスが早く消えるので、感染も減る」と書いていますが、科学的根拠はありません。

4.ゾフルーザ®(一般名:バロキサビル マルボキシル)の臨床試験では、症状発現から 48 時間以内の患者を対象に試験を実施しており、48 時間を経過した患者における有効性を裏付けるデータは得られていません(データをみる)。これを周知しておかないと、乱用につながる可能性があります。

5.風邪に対する抗生物質の使用には非常にうるさい行政が、あまりにこの「日本発の新薬」には甘いので、耐性ウイルスの出現や薬害も日本が最初になるような気がします。

6.ゾフルーザの過剰宣伝がワクチン接種率の低下を招く恐れがあります。感染症対策はあくまで、手洗いやワクチンによる予防が基本です。

7.廣津氏は、「鳥インフルエンザや耐性ウイルスにも効果があるため、パンデミック(大流行)の備えにもなる」と解説していますが、それならいざという時のために使わずにおくべきです。タミフルのように使えば、ゾフルーザにも耐性ウイルスが出現する可能性が高いです。

ゾフルーザの作用機序です(S-033188はゾフルーザの開発番号)。 

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